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フィギュアでオリンピック・世界選手権に次ぐ大会、四大陸選手権とは

2017 7/10 10:01まりも
スケートシューズ
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Photo by vlad09/Shutterstock.com

近年日本での人気が加速度的に高まってきた競技・フィギュアスケート。フィギュアスケートには数多くの国際大会があります。その中でも4年に1度に開かれる”冬季オリンピック”、世界中のトップクラスの精鋭が集まる年に一度の”世界選手権”が有名ですね。では、国際大会のひとつ”四大陸選手権”とはいったいどういった大会なのでしょうか?今回はこちらを見てみることにします。

四大陸フィギュアスケート選手権とは

四大陸フィギュアスケート選手権は、国際スケート連盟に加盟している国のうち、ヨーロッパを除いた国と地域が参加するフィギュアスケートの国際大会です。出場資格を持つのは、アフリカ・アジア・アメリカ・オセアニアの各大陸の選手となっています。
フィギュアスケートの世界大戦としては比較的歴史の浅い大会で、”ヨーロッパフィギュアスケート選手権”に並ぶ大会として1998-1999年シーズンに創設されました。1999年2月にカナダのハリファックスで開催された第1回大会からはじまり、各国持ち回りで1月または2月に開催されています。

世界での四大陸選手権の選手選考基準とは

その国の代表が前年におさめた成績で参加枠の数が変化する”世界フィギュアスケート選手権”や”ヨーロッパフィギュアスケート選手権”、”世界ジュニアフィギュアスケート選手権”とは異なり、四大陸フィギュアスケート選手権では、各国で種目ごとに最大3枠までの出場枠が与えられています。
ただし、出場のための最低技術点が設定されていて、現シーズンと前シーズンの国際スケート連盟が主催または公認する大会で、ショートとフリーの双方でそれをクリアしていなければ出場できないこととなっています。

日本での四大陸選手権の選手選考基準は

日本は独自の四大陸選手権出場にも選考基準を設けています。それは「全日本選手権10位以内・全日本選手権終了時点でのISU世界ランキングまたはISUシーズン世界ランキングもしくはISUシーズンベストスコアの上位6名」というもの。
世界ランキングは過去の複数の大会の成績を総合して算出されます。またシーズン世界ランキングは、ランキング発表時のシーズンのみで算出されます。
基本的に最終選考会である全日本選手権への参加が必須ですが、過去に世界選手権3位以内という実績がある選手の場合、怪我などのやむを得ない理由で全日本選手権に参加できない場合は、それを考慮して選考されることもあります。

日本の優勝者が多い四大陸選手権

日本からは、男子シングルでは本田武史さん(1999・2003)、織田信成さん(2006)、高橋大輔さん(2008・2011)、無良崇人選手(2014)が、女子シングルでは村主章枝さん(2003・2005)、太田由希奈さん(2004)、浅田真央さん(2008・2010・2013)、安藤美姫さん(2011)、村上佳菜子さん(2014)、宮原知子選手(2016)、三原舞依選手(2017)がチャンピオンとなっています。多くのシングル選手の活躍により、男子シングル・女子シングルともに、国別総メダル数は1位です。
しかし、ペアやアイスダンスでは選手の少なさから、各競技のメダル総合計数では、アメリカ・カナダに次ぐ3位となっています。

四大陸選手権は歴史の浅さと開催時期で不遇。しかし見どころも

歴史の浅さや世界選手権の直前といった開催時期の都合などで、他の大会よりも一段劣るイメージのあった四大陸選手権ですが、ISUの要請によりトップ選手の派遣が義務付けられたため、ここ数年で確実にレベルの高い演技を見ることができる大会へと変化しています。
また、出場選手の成績で翌年の世界選手権やオリンピックの出場選手枠が決まる世界選手権や、それらの大会に出るための国内大会と比べて縛りが少ないために、選手自身も様々なことに挑戦できる大きな大会としての意義も高まっています。

まとめ

四大陸フィギュアスケート選手権は、他の大きな大会とは少し違う意味合いを持つ大会です。そのため、2017年大会のように新たなヒーロー・ヒロインが誕生したり、選手たちの新たな試みを目にすることもできるのが醍醐味だといえるでしょう。もっとフィギュアスケートや四大陸選手権のことを知りたくなるきっかけになれば幸いです。