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浅田真央が輝き続ける原動力、今なお抱くフィギュアスケートへの情熱と夢

2022 7/3 06:00田村崇仁
浅田真央,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

新アイスショーのテーマは「過去の自分超え」

フィギュアスケート女子の2010年バンクーバー冬季五輪銀メダリストで31歳の浅田真央は、2017年4月に現役引退した後もプロスケーターとして氷上のリンクでいまなお輝き続けている。

2018年5月から約3年の長期間にわたり、アイスショー「浅田真央 サンクスツアー」で座長を務め、全国50会場、200公演以上のツアーを完走した。2021年4月に「私の大きな宝物」という最終公演を横浜アリーナで終えたが、今度は新たなアイスショー「BEYOND」を開催することになった。

テーマは「BEYOND」の文字通り「過去の自分を超えて進化する」。2021年夏のイベントでも、自給自足の生活を夢見て八ケ岳南麓で畑づくりをスタートさせるプロジェクトを公表した席で「スケートで過去の自分を超えられるように、これからも進んでいきたい」とコメントしており、新たなステージに再び挑むことになる。

浴衣姿で和太鼓、畑づくりも相乗効果を期待

サンクスツアーでは初めて自ら総合演出を手掛け、新型コロナ禍で中止などを余儀なくされた公演もあったが「選手生活の時のような練習に戻った」と言うほど全精力を注ぎ込み、ほとんどの演目の振り付けも自ら参画。姉の舞さんや自らがオーディションで選んだスケーターとともに、2014年ソチ五輪のフリーで演じたラフマニノフの名曲「ピアノ協奏曲第2番」など現役時代に用いた代表曲を滑りきった。

最近のイベントでは浴衣姿で和太鼓を披露する場面も。自給自足の畑づくりに精を出すのも「足腰腕だけでなく、精神力も鍛えられる。畑も奥が深い」と語るように、フィギュアスケートとの相乗効果を自ら期待している面もあるようだ。

サンクスツアーの最終公演を終えた後は、自身のインスタグラムで「これが終わりではなく、新たなスタートだと思っています」とつづっており、今回のアイスショーへの再挑戦の機会を予告していた。

今後の夢は「浅田真央リンク」創設

最近のフィギュア界では冬季五輪などに参加できる選手の年齢制限を、現行の15歳から17歳以上に変更することを決めたことが話題になった。

振り返れば、浅田真央が世界を席巻したシーズンに2006年トリノ五輪出場を阻まれたのも、この年齢規定によるものだった。当時15歳だった浅田真央は苦もなくトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を次々と決め、まさに異次元のスケーターだった。

いまや伝説となった2014年ソチ冬季五輪のフリーを終えた後、テレビのインタビューで「メダルは結果として日本に持って帰ることはできなかったけど、自分の気持ちとしては、本当にやりきったという気持ちと、すべてを出し尽くしたっていう気持ちがあります。2回のオリンピックを経験して、2つ合わせてようやく最高のオリンピックになったんじゃないかなっていう気持ち」と話している。

そんなフィギュアへの愛情が今後の夢として子どもたちの練習環境をより良くするため、自らが手掛ける「浅田真央リンク」創設への思いにつながっている。

この構想はトップ選手を目指す子どもたちだけでなく、一般の人も滑れるスケートリンクでもある。計画は東京・立川市に本社を置き、多くのスポーツ事業も手がける「立飛ホールディングス(HD)」とタッグを組み、2024年秋までのオープンを目指して進行中という。

日本のフィギュアスケート界は人気が高いが、アイスリンクの減少が課題。通年リンクの閉鎖も相次ぐ。フィギュアに愛され、育てられた浅田真央だからこそ、情熱は尽きない。現役を引退してもプロスケーターとしてまた新たな挑戦が始まろうとしている。

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