世界三大自転車レースのひとつ「ブエルタ・ア・エスパーニャ」とは
グランツールと呼ばれる世界三大自転車レースのひとつ「ブエルタ・ア・エスパーニャ」。毎年9月に3週間以上にわたってスペインで開催されており、最後の逆転劇が多い接近したレースが特徴だ。1994年まではジロ・デ・イタリアと日程が近く、出場する選手はスペイン人が多かったため、ローカル色の濃いレースだった。
しかし国際自転車競技連合のカレンダー調整によって9月開催に移行すると、シーズン終盤の開催であったため、出場者は増えなかったが、有力選手の活躍などによって徐々に盛り上がりを見せるようになった。現在はツール・ド・フランスに次ぐカテゴリーBとなった。
スペインの自転車レース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」の歴史とは
ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなど、ヨーロッパの国々で自転車レースが盛んになった1900年代。その自転車レースの盛り上がりの影響を受け、1935年のスペインで「ブエルタ・ア・エスパーニャ」が開催された。走行距離が3,425km、14にわたるステージで第1回大会のレースがおこなわれた。しかし1937年はスペイン内戦によって中止になる。
1941年に第3回大会が再開されるも、第二次世界大戦で中断を余儀なくされる。そして再開後の1955年からは、有名選手たちが参加したことによって知名度が上がる。山岳コースが厳しく逆転劇や接戦の多いレースとなり、スペイン国内だけではなく世界的にも人気となっていく。
自転車レース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」の特徴とは
世界三大自転車レースのツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアに比べると、コースが短く平均スピードも速いレース。また「ブエルタ・ア・エスパーニャ」は山岳地帯が多いスペインの地理を生かしたコースが多く、序盤から急勾配で短距離のコースが用意されていることも特徴的だ。
そのため平地でタイムを稼ぐスプリンター軍団と峠コースでポイントを稼ぐクライマー勢との差が僅差になることが多く、見どころのひとつになっている。
スペインの自転車レースのリーダージャージとは
スペインの自転車レース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」にも、他のグランツールと同じくリーダージャージがある。前日の成績第1位の選手が着用する権利があり、見ている観客にもわかりやすいルールとなっている。
たとえばポイント賞の選手には“プントス”という緑のリーダージャージ、山岳賞にはブルーの水玉模様が印象的な“モンターニャ”といったジャージがある。そして個人総合時間賞は“マイヨ・ロホ”と呼ばれる赤のジャージで、最終ステージが終了した時点でもっている人が総合優勝を獲得する。
スペインの人気レース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」に挑んだ日本人
最後の最後までもつれあう接戦となる世界三大自転車レースの「ブエルタ・ア・エスパーニャ」。3つのグランツールのなかでは、もっとも日本人選手の出場が少ないレースだ。2011年と2012年に出場した土井雪広選手はどちらも見事完走。
続いて2015年と2016年に出場した新城幸也選手は、個人総合65位となる記録を残して完走した。また同じく2016年に出場した別府史之選手は、第18ステージで敢闘賞を獲得するなどの活躍を見せた。
まとめ
世界三大自転車レースのひとつである、スペインの自転車レース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」を紹介した。短距離で急勾配といった見どころのあるコースが多く、接戦や逆転劇があり最後まで目が離せないレース展開が楽しめる。一度見ればハマってしまう、そんな魅力的なレースとなっている。