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カヌー競技を観戦するときに注目したいポイントなどを紹介

2017 1/30 12:11
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Photo by Mitch Gunn / Shutterstock, Inc.

リオオリンピックにおける日本人選手の活躍によって、スポーツとしての「カヌー」の認知度が急上昇しています。 人気選手のメディア露出も増えていますが、競技に関しては、まだ知られていないことも多いのではないでしょうか。 ここでは、カヌー競技観戦のポイント、注目選手などを紹介します。

カヌー「スプリント」の注目ポイント

「スプリント」は、流れがない河川や湖沼などで開催される、静水面上のタイムトライアルです。いかに速くゴールできるかを目指し、直線コースを一斉に漕ぎ進んでゆくスピード感は、他では見られないダイナミックさがあります。また、乗組員数によりシングル、ペア、フォアの区別があり、シングルは個人競技、ペアとフォアは団体競技としての面白さが味わえます。
使用される艇は、座わった状態でダブルブレードパドルで漕ぐ「カヤック」と、片膝立ちで、シングルブレードパドルで片側を漕ぐ「カナディアン」の2種類があり、まったく異なるパドルの動きが見どころです。圧倒的なスピード感と力強さが魅力の「スプリント」では、艇や乗組員数が変わることによる変化も注目ポイントです。

カヌー「スラローム」の注目ポイント

「スラローム」は、コース内に設置されたゲートを通過する技術とゴールまでの所要時間を争う競技です。パドルを駆使して艇を巧みに操り、変化に富んだ急流の中で回転の技を繰り出す場面は必見です。
ゲートには、上流から下流に向かう「ダウンゲート」と、下流から上流に向かう「アップゲート」があり、どちらもほんの少しの接触も許されません。水流に沿った「ダウンゲート」では、瞬時の判断と対応が通過を大きく左右し、急流に逆らって通過する「アップゲート」では、非常に力強いパドルさばきが必要とされるなど、スタートからゴールまで目が離せない場面が続きます。
急流の中で艇をコントロールする技術と、ゴールへ向かって漕ぎ続ける力強さ。どちらも大きな注目ポイントです。

カヌー競技を観戦するには

カヌーのコースや競技場は日本各地に点在しており、主要な大会だけを見ても、冬季以外は毎月のように行われています。スプリントのコースは湖、スラロームのコースは川の上流と、豊かな自然の中に作られていることが多いため、観戦の際は周辺の景観も楽しむことができるのです。
特にスラロームは、深い山の渓谷で行われる大会もあります。荒々しい川の流れにゴツゴツとした岩。大自然の中のコースは障害物も多く、流れも一定ではありません。コースも、競技内容も、さらに周辺環境もダイナミック。観戦に訪れてこそ味わえる醍醐味です。
このような自然の中に作られたコースでは、観覧席を整えられないことも多いので、敷物を持参すると便利です。また、滑りにくい靴や上着など、会場によっては身支度にも気を配っておくと安心です。

リオで生まれた「ニューヒーロー」!羽根田卓也

2016年リオデジャネイロオリンピック。羽根田卓也選手は「スラローム男子カナディアン」で銅メダルを獲得しました。これはカヌー競技において日本人初。自らも「日本人がこの競技でメダルを取るなんて、誰も信じていなかったと思う」と語っていた通り、ヨーロッパ諸国が上位にひしめく中でのメダル獲得は、間違いなく歴史に残る快挙です。
羽根田選手は9歳でカヌーを始め、高校3年生で日本選手権を制した後は、単身でカヌー強豪国のスロバキアに渡っています。強くなりたい一心で十余年。父の援助を受けた後は、スポンサー探しに苦労したことも。長い努力を経て勝ち取った大きな栄冠でした。日本選手権も7連覇中の羽根田選手。今後はどんな活躍を見せてくれるのか、目が離せない選手です。

二人そろってオリンピック!矢澤兄妹、佐々木兄弟

「カヤックシングル」の矢澤一輝選手と矢澤亜季選手は、長野県生まれの兄妹です。兄の矢澤一輝選手は、リオデジャネイロまでのオリンピック3大会に連続出場しており、ロンドン大会では日本人初の決勝進出を果たしています。所属はなんと「善光寺」で、カヌー競技以外に僧侶も務めるという、異色の選手です。妹の矢澤亜季選手も、日本選手権4連覇の実績がある日本のトップ選手で、リオデジャネイロオリンピックには兄の一輝選手と共に出場しました。
「カナディアンペア」の佐々木将汰選手と佐々木翼選手も兄弟です。秋田県出身の兄弟ペアは、2016年のアジア選手権で優勝し、リオデジャネイロオリンピックに出場しました。この種目は東京大会では実施されないため、残念ながら兄弟ペアはリオが最後となり、以降はそれぞれシングルで東京オリンピックを目指します。

まとめ

スプリントとスラローム、種目ごとの魅力に着目し、それぞれの注目ポイントなどを紹介いたしましたが、いかがでしたか? 「カヌー競技」は認知度が上がり、東京オリンピックへ向けても期待が高まっています。 競技内容や選手を知ると、観戦の楽しさが増すこともありますので、よかったらチェックしてみてくださいね。