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あのメイウェザーがベタ惚れ?“ボクシングの未来”ガーボンタ・デービスとは

2019 8/8 06:00柴田雅人
ガーボンタ・デービスⒸゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

プロデビューから無敗の王者

史上初めて無敗のまま5階級を制覇し、昨年末には那須川天心とも拳を交えたフロイド・メイウェザー。史上最強との呼び声も高い、言わずと知れた最強ボクサーだが、その彼をして“ボクシングの未来”と言わしめる猛者がいる。それがガーボンタ・デービスだ。

「Tank(戦車)」の異名を持つアメリカ出身の24歳は、206勝15敗というアマチュアの戦績を引っさげ2013年2月にプロデビュー。その後IBF世界スーパーフェザー級王者(2017年1月獲得/同年8月剥奪)を経て、現在はWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者に君臨している。

7月27日に行われたタイトルマッチでは、挑戦者のリカルド・ヌニェスを「2回1分33秒・TKO」で鮮やかに撃破し防衛に成功。この一戦での勝利を含め、通算成績は22勝無敗(21KO)と未だ無敗をキープし続けている。

連勝街道を突き進む俊英に対して、多くのボクシングファンが熱い視線を注いでいる。また、「この選手と対戦してほしい」「この選手を倒すならデービスしかいない」といった声を寄せているファンも少なくない。

中でも、特に対戦が期待されているのが1階級上の現WBAライト級スーパー王者・WBO世界ライト級王者であり、最新のパウンド・フォー・パウンドランキングでも3位に位置しているワシル・ロマチェンコ。あまりの強さに、同階級ではもはや太刀打ちできる相手がいないといわれるほどのスターボクサーだ。

もちろん、この両者の対戦に当たっては、階級の違いも含め様々なハードルが課せられている。しかし、もし実現となれば、非常に大きな注目を集める“世紀の一戦”となる可能性は十分にある。

デービスのバックについているのは、冒頭で触れたメイウェザーが率いるメイウェザー・プロモーションズ。現役時代に数多くの栄光を手にしたスーパースターが、次世代のスター候補にどんなマッチメイクを施すのかもまた要注目といえるだろう。

素行不良も注目の的?

出色の戦績を誇っているデービスだが、その一方で素行不良な一面があることも広く知られている。ここでは、そのような“スキャンダル”の一例を以下に紹介したい。

・暴力沙汰
2017年8月、デービスは自身の幼馴染である男性を殴打。被害を受けた男性が裁判所に提訴しデービスは一時身柄を拘束されたが、後に訴えが取り上げられたことにより罪に問われることは避けられた。

しかし、デービスはこれに懲りずに、その後も複数回暴力沙汰を起こしている。ちなみに、今年2月の事例では逮捕状まで出されていたという。

・体重超過
体重超過を犯したボクサーというと、山中慎介と対戦した元WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリが記憶に新しいところだが、実はデービスも2017年8月のIBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチで体重超過。その結果、リングに立つ前に王座を失う羽目になっている。

なお、ネリはその状態で山中慎介を沈めたが、デービスも挑戦者のフランシスコ・フォンセカを撃破。体重超過だけでなく、“その後”もネリと共通の流れを辿っている。

・ラビットパンチからの挑発
前述したフォンセカ戦の8回、デービスはラビットパンチ(後頭部へのパンチ)のような一撃を見舞うと、崩れ落ちた相手に対し追い打ちを敢行。これを見たレフェリーは、即座にデービスを突き飛ばすようにコーナーへ離した。

結局、フォンセカは立ち上がることができずに試合はデービスの勝利で終了。しかし、デービスの蛮行はこれだけにとどまらず、試合終了直後にはうずくまるフォンセカの隣でその体勢をモノマネ。明らかな挑発行為に、観衆はブーイングを浴びせていた。

リングの中だけでなく、外でもド派手な暴れっぷりが目立つデービス。もちろん、それらの行為が褒められたものではないことは否定できないが、それもまた彼の注目度を高めている一つの要素といえるのかもしれない。

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