ジャッジ3者とも116-112の判定勝ち
プロボクシングのWBA・WBC・WBOヘビー級タイトルマッチが21日(日本時間22日)、サウジアラビア・リヤドで行われ、3団体統一王者オレクサンドル・ウシク(37=ウクライナ)が前WBC王者タイソン・フューリー(36=イギリス)に判定勝ちした。
序盤は一進一退の攻防が続いたが、徐々に身長191センチのウシクが206センチのフューリーに的確なパンチでポイントを奪う。ダウンシーンこそなかったものの、ジャッジ3人とも116-112と中差でウシクを支持した。
2人は5月18日に行われた4団体統一戦以来のダイレクトリマッチ。前回は2-1と判定が割れたが、今回はウシクが明確な勝利をつかみ、返り討ちにした。
6月にIBF王座を返上したため、3団体のベルトを守ったウシクは23戦全勝(14KO)。判定への不満を露わにしたフューリーは34勝(24KO)2敗1分となった。
19歳モーゼス・イタウマは11連勝
潤沢なオイルマネーでボクシングビジネスを席巻しているサウジアラビアのリングで、ウシクは1億1400万ドル(約171億円)、フューリーは7600万ドル(約114億円)のファイトマネーが支払われると報じられている。
世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が軽量級では破格のファイトマネーを手にしているが、やはりヘビー級は桁違いだ。
試合後、ウシクが返上したIBFヘビー級王座に就いたダニエル・デュボア(27=イギリス)がリングに上がり対戦を要求。デュボアはWBA王者時代の2023年8月にウシクと統一戦を行って9回KO負けしており、再戦が実現すれば再び4団体王座が統一されることになる。
また、この日のアンダーカードでは、20歳5カ月で世界ヘビー級王座を獲得したマイク・タイソン(アメリカ)の持つ史上最年少記録の更新を期待されているモーゼス・イタウマ(19=イギリス)が1回TKO勝ち。戦績をデビュー以来無傷の11連勝(9KO)に伸ばした。
12月28日で20歳になるため最年少記録は難しそうだが、今回の勝利で現在WBO6位、WBA10位、IBF14位の世界ランキングも上昇するだろう。来年もヘビー級戦線は盛り上がりそうだ。
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