ダウン応酬の激闘制しWBOアジアパシフィック王座獲得
プロボクシングWBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王座決定戦が5日、東京・後楽園ホールで行われ、1位・村田昴(27=帝拳)が2位・山崎海斗(26=六島)に9回TKO勝ちし、初タイトルを獲得した。
無敗同士の一戦は見応えのある激闘となった。3回にダウンを奪った村田が優勢に試合を進めたが、7回にロープに詰めて攻め込んだところに、山崎の右ショートをがら空きの顎に受けて自身初のダウン。辛うじてこの回をしのぐと、9回に左右の連打でダウンを奪い返し、レフェリーストップを呼び込んだ。
ディフェンスに課題を残した村田はデビュー以来、無傷の8連続KO勝ち。敗れた山崎は9勝(5KO)1敗となった。
東京五輪逃し、ラスベガスでプロデビュー
和歌山県出身の村田は、元3階級世界王者の長谷川穂積氏に憧れて小学5年でボクシングを始め、貴志川高時代にインターハイ優勝など高校3冠。日本大学から自衛隊体育学校に進み、東京オリンピックを目指した。しかし、2019年の国内最終選考会を兼ねた全日本選手権で、後に志成ジムからプロ転向する堤駿斗に敗れ出場を逃した。
アマチュアで68勝(15KO・RSC)12敗の戦績を残して帝拳ジムからプロ転向。2021年のデビュー戦はアメリカ・ラスベガスで2回TKO勝ちし、その後もKO勝ちを続けて今回が初の日本人相手の試合だった。
現在、WBCスーパーバンタム級21位にランクされており、地域タイトルを獲ったことでWBOのランキング入りも期待される。同門で1階級下の那須川天心とともに、現在は世界王者不在の名門・帝拳を引っ張るホープだ。
アマチュアキャリアが長かったため27歳と若くはないものの、井上尚弥(大橋)が4団体王座に君臨する階級で次代を担う期待も膨らむ。来年はさらに大きく飛躍する年となるか注目だ。
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