次期防衛戦はドヘニー?
プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)は9月に予定される次期防衛戦でテレンス・ジョン・ドヘニー(37=アイルランド)と戦うことが噂されている。
井上が持つ4つのタイトルのひとつであるWBA(世界ボクシング協会)からは、元同級王者で現1位ムロジョン・アフマダリエフ(29=ウズベキスタン)と指名試合をするよう指令されている。
元々は王者が最強挑戦者から逃げることを避けるために一定期間内にランキング1位選手との防衛戦を義務付けたルールだが、4団体統一王者ともなると各団体の指名試合をこなすだけでも時間が足りないのが現実だ。ドヘニー陣営と進んでいる交渉を止めてまでアフマダリエフ戦を優先させるメリットがなければ、井上陣営はWBAの指令を無視せざるを得ない。
そうなるとWBAが井上の王座を剥奪、あるいは井上が王座を返上する可能性もある。仮にそうなっても井上の商品価値が落ちるわけではなく、スーパーバンタム級「最強」であることに疑いの余地はない。いずれにせよ、次期防衛戦の正式発表が待たれるところだ。
25戦全勝21KOのエスピノサとは身長20センチ差
井上はスーパーバンタム級であと数試合してからフェザー級に上げることを示唆している。バンタム級時代に井上を盛んに挑発し、井上も喧嘩を買う意思表示をしていたジョンリエル・カシメロ(35=フィリピン)もスーパーバンタム級では評価を落としており、対戦相手候補として名前は挙がっていない。
ルイス・ネリ戦後にリング上で紹介されたIBF・WBO1位サム・グッドマン(25=オーストラリア)やドヘニー、アフマダリエフらが今後の相手候補だろうが、井上の王座を脅かすとは思えない。もはやスーパーバンタム級に敵はいないのではないか。
そんな折、気になるボクサーが出現した。WBOフェザー級王者ラファエル・エスピノサ(30=メキシコ)だ。
2023年12月、清水聡を倒すなど日本でも評価、知名度とも高かったロベイシ・ラミレス(キューバ)に判定勝ちしてWBOフェザー級王座を奪取。今年6月21日にはセルヒオ・チリーノ・サンチェス(メキシコ)に4回TKO勝ちで初防衛に成功し、25戦全勝(21KO)を誇る右ボクサーだ。
なんとフェザー級では破格の身長185センチ、リーチ188センチ。身長165センチ、リーチ171センチの井上が体格面で大きく劣ることは厳然たる事実だ。これまで自分より大きな相手も倒してきたモンスターとはいえ、20センチも背の高い相手を倒すのは簡単ではないだろう。
井上がフェザー級に上げれば、いずれ対戦する可能性は十分にある。強すぎるがゆえライバルのいないモンスターにとって、これくらいのハンデがあった方が注目度は高まるかもしれない。
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