暫定王者バロッソを3度倒して9回TKO勝ち
プロボクシングのWBAスーパーライト級6位・平岡アンディ(28=大橋)が3日に東京・有明アリーナで行われた世界スーパーライト級挑戦者決定戦でWBA暫定王者イスマエル・バロッソ(41=ベネズエラ)に9回2分58秒TKO勝ちした。
サウスポーの平岡は長いリーチを活かして距離を取りながらペースをつかみ、6回に右フックで最初のダウン。9回に2度目のダウンを奪うと。最後は強烈な左ストレートでぐらついた暫定王者をロープに詰めて連打で倒し、バロッソのセコンドが棄権を申し出てTKOとなった。
パワーもある老獪なベテランに完勝した平岡は10連続KO勝ちで、24戦全勝(19KO)に無敗レコードを更新。WBA同級王者ホセ・バレンズエラ(アメリカ)への挑戦権を獲得した。
ⒸLemino/SECOND CAREER
恵まれた体格と高い身体能力
平岡はガーナ出身の父ジャスティス・トレーナーの指導を受け、2013年12月に17歳でプロデビュー。2019年にアメリカのプロモート大手トップランク社と契約してラスベガスのリングにも上がるなど早くから注目されてきた。
2021年10月には日本・WBOアジアパシフィックスーパーライト級王座決定戦で、現ウェルター級世界ランカーの佐々木尽(八王子中屋)に11回TKO勝ちで王座奪取。4度防衛後にベルトを返上し、ここまで無傷の24連勝をマークしている。
身長182センチ、リーチ188センチの恵まれた体格と、横浜高校時代に陸上で国体出場した高い身体能力を併せ持つ。日本では藤猛、浜田剛史、平仲明信の3人しか王座獲得していないスーパーライト級で、ついに世界を狙える位置まで辿り着いた。
バレンズエラなら勝機あり
ターゲットのWBA王者バレンズエラは8月3日にベルトを巻いたばかり。14勝(9KO)2敗のサウスポーで、身長、リーチとも178センチと平岡よりサイズは小さい。
好戦的で突進力、パンチの回転力は目を見張るものがある。ただ、ガードが甘いわりに打たれ強くはない。2敗のうち1敗は3回KO負けでディフェンスに難がある印象だ。
身長、リーチで上回る平岡が落ち着いて戦えば、十分に勝機はあるだろう。1992年9月に平仲が敗れてから32年。日本で4人目の世界スーパーライト級王者が誕生するか注目だ。
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