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田中恒成27年ぶり世界最速記録更新!オスカー・デラホーヤと4階級制覇への道のりを比較

2024 2/27 06:00SPAIA編集部
田中恒成とオスカー・デラホーヤ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

バカセグアに判定勝ち、21戦目で4階級制覇

2月24日に東京・両国国技館で行われたプロボクシングのWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で、同級1位・田中恒成(28=畑中)が2位クリスチャン・バカセグア(26=メキシコ)に判定勝ちし、4階級制覇を果たした。

田中はWBOミニマム級、WBOライトフライ級、WBOフライ級に続く4つ目のタイトルを獲得し、井岡一翔(34=志成)、井上尚弥(30=大橋)に次いで日本人3人目の4階級制覇。21戦目での達成はオスカー・デラホーヤ(アメリカ)の24戦目を抜いて世界最速記録となった。

改めてここまでの道のりをデラホーヤと比較してみたい。

田中恒成とデラホーヤの比較

ロマチェンコと並ぶ12戦目で3階級制覇の世界最速タイ記録

岐阜・中京高時代にインターハイ、国体など高校4冠に輝いた田中は、2013年に畑中ジムからプロデビュー。国内最速の4戦目で東洋太平洋ミニマム級王座を獲得し、2015年5月には井上尚弥の6戦目を更新する国内最速記録の5戦目でWBOミニマム級王座を奪取した。ちなみに世界最速記録はセンサク・ムアンスリン(タイ)とワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の3戦目となっている。

ミニマム級王座は初防衛後に返上し、2016年大晦日にはモイセス・フェンテス(メキシコ)に5回TKO勝ちしてWBOライトフライ級王座を奪取。8戦目での2階級制覇は井上尚弥と並ぶ国内最速タイ記録となった。世界最速記録はこれもロマチェンコの7戦目となっている。

ライトフライ級のベルトも2度防衛後に返上。2018年9月には木村翔(青木)に判定勝ちでWBOフライ級王座を獲得し、ロマチェンコと並ぶ世界最速の12戦目で3階級制覇を達成した。

フライ級王座も3度防衛後に返上し、2020年大晦日にはWBOスーパーフライ級王者・井岡一翔に挑んだが、痛烈な8回TKO負け。16戦目でプロ初黒星を喫し、4階級制覇の夢は打ち砕かれた。

全勝街道をばく進してきた田中にとって、井岡戦の敗戦はショックが大きかった。会見では気持ちが折れかけたことも明かしており、ボクサーとしても人間としても一回り成長するターニングポイントとなった。

迎えた2024年2月24日、井岡戦後から磨いてきたディフェンス面の成長を示し、119-108、117-110、116-111の3-0で判定勝ち。21戦目の4階級制覇で世界記録を更新した。試合後のインタビューでは現WBA王者・井岡へのリベンジを目指すことを宣言している。

デラホーヤは24戦目で4階級制覇

オスカー・デラホーヤはバルセロナ五輪の金メダルを引っ提げて1992年11月にプロデビュー。1994年3月、12戦目でジミー・ブレダル(デンマーク)に10回終了TKO勝ちしてWBOスーパーフェザー級王座を獲得した。

さらに同年7月にはホルヘ・パエス(メキシコ)に2回KO勝ちでWBOライト級王座を奪取し、14戦目で2階級制覇。1996年6月にはフリオ・セサール・チャベス(メキシコ)に4回TKO勝ちしてWBCスーパーライト級王座を奪い、22戦目で3階級制覇を達成した。

迎えた1997年4月、24戦目でWBCウェルター級王者パーネル・ウィテカー(アメリカ)に判定勝ち。これが田中が更新するまでの世界最速記録だった。

デラホーヤはその後、2001年6月に36戦目でWBCスーパーウェルター級王座、2004年6月には40戦目でWBOミドル級王座を獲得し、当時史上初の6階級制覇を達成している。

6階級制覇はデラホーヤとマニー・パッキャオ(フィリピン)の2人だけだが、4階級制覇も長いボクシングの歴史上で田中を含めて世界で24人しか達成していない。層の厚い中量級と軽量級の違いはあるとはいえ、田中の最速記録は世界に誇る偉業と言える。

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