世界3位に4回KO勝ち
プロボクシングの元WBCフライ級王者で現WBAバンタム級11位・比嘉大吾(27=志成)が24日、WBAスーパーフライ級3位シリチャイ・タイイェン(32=タイ)とのノンタイトル10回戦に臨み、4回KO勝ちした。
タイイェンは1階級下とはいえ、現役のスーパーフライ級世界ランカー。元WBAフライ級暫定王者でここまで15連勝中、通算65勝(43KO)4敗の戦績を誇る実力者だったが、比嘉は持ち前の強打で一方的な展開に持ち込んだ。
2回に2度のダウンを奪うと、3回にも右ボディで倒し、4回に再びボディでダウンさせる快勝。15連続KO勝利の日本タイ記録を持つハードパンチャーがバンタム級での世界挑戦をアピールした。
WBAで11位の比嘉は、WBCでは16位、WBOでも14位にランクされており、今回の勝利でさらにランキングが上がると見られる。4団体統一王者だった井上尚弥(30=大橋)がベルトを返上し、WBAが弟の井上拓真(27=大橋)、WBOはジェイソン・モロニー(32=オーストラリア)が後継王座に就いているが、WBCとIBFは空位。比嘉が混沌とするバンタム級戦線に浮上しそうだ。
フライ級とバンタム級制覇はファイティング原田と亀田興毅のみ
沖縄出身の比嘉は白井・具志堅スポーツジムからプロデビューし、2017年5月にファン・エルナンデス(メキシコ)を6回TKOで破ってWBCフライ級王座を奪取。13戦目で全てKO勝利だった。
その後、2度目の防衛戦までKO勝ちして、浜田剛史と渡部あきのりに並ぶ日本記録の15連続KOをマーク。しかし、2018年4月の3度目の防衛戦で計量をクリアできず王座を剥奪され、試合も9回TKO負けを喫して新記録はならなかった。
その後、ジムを移籍してリングに上がっていたものの精彩を欠いていたが、久しぶりの痛快なKO勝利で復活をアピール。戦績を20勝(18KO)2敗1分けとし、今後に期待を抱かせた。
これまでフライ級とバンタム級王座を獲得した日本選手はファイティング原田と亀田興毅の2人しかいない。比嘉は2階級制覇を達成するか。俄然、今後が楽しみになってきた。
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