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朝倉未来vsメイウェザー今日ゴング!「名勝負」か「凡戦」か、カギを握るのは?

2022 9/25 06:30SPAIA編集部
フロイド・メイウェザーと朝倉未来,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

メイウェザーが那須川天心戦以来となる日本のリング

格闘技イベント「超RIZIN」で、総合格闘家の朝倉未来(30)対プロボクシングの元世界5階級王者フロイド・メイウェザー(45)が25日、さいたまスーパーアリーナで行われる。

試合は3分3ラウンド制で、ボクシングルールに準じたエキシビションマッチ。キック1発につき500万ドル(約7億円)の違約金設定が伝えられている。

注目の一戦を展望する前に、フロイド・メイウェザーはどれほど強いのか、改めてこれまでのキャリアを振り返っておこう。

1977年2月24日、米ミシガン州出身。6階級制覇のオスカー・デラホーヤらを指導した名トレーナー、フロイド・メイウェザー・シニアを父に持ち、現役時代にスーパーフェザー級とスーパーライト級の2階級を制した元世界王者ロジャー・メイウェザー、デラホーヤと対戦経験のあるジェフ・メイウェザーの2人が叔父にあたるボクシング一家で育つ。

アマチュア時代はフェザー級で戦い、1996年のアトランタ五輪で銅メダル獲得。プロ転向後、1998年に獲得したWBCスーパーフェザー級王座を皮切りに、ライト級、スーパーライト級、ウェルター級、スーパーウェルター級まで5階級を制覇した。

その間、ザブ・ジュダーやオスカー・デラホーヤ、リッキー・ハットン、サウル・アルバレス、マニー・パッキャオらのビッグネームに勝利。50戦目は総合格闘家UFCの世界王者コナー・マクレガーに10回TKO勝ちし、50戦全勝(27KO)の戦績を残して無敗のまま引退した。

巨額のファイトマネーを稼ぎ、自身の所有する高級車や装飾品などを隠そうとしないことから「Money(金の亡者)」の異名を持つ。戦績が示す通り、パワーで相手をなぎ倒すのではなく、相手のパンチをかわす卓越したディフェンスで「打たせずに打つ」スタイル。だからこそ蓄積したパンチのダメージも少なく、引退後もリングに上がり続けることができるのだろう。

2018年12月31日に日本で那須川天心とエキシビションマッチで対戦して1回TKO勝ち。2021年6月には米フロリダ州で、人気YouTuberのローガン・ポールと対戦(判定なしのため勝敗つかず)するなど、引退後も存在感を示している。

朝倉はメイウェザーを本気にさせられるか

ビッグマネーが動く試合として注目度は高いが、ボクシングルールで行われる以上、メイウェザーの圧倒的有利は不動だ。契約体重のないフリーウエート制で判定はないものの、朝倉がクリーンヒットを何発当てられるかが焦点と言っても過言ではない。

望むべくは朝倉が攻勢をかけてメイウェザーを慌てさせる展開だろう。那須川との一戦では、「神童」の左ストレートが顔面に浅くヒットし、本気になったメイウェザーが一気にたたみかけてノックアウトした。今回もいかにメイウェザーを本気にさせるか、攻めて来させるかが試合を盛り上げるカギになる。

1976年に「世紀の一戦」と呼ばれた異種格闘技戦、アントニオ猪木対モハメド・アリは、ルール上の問題もあって両者が警戒し合ったまま噛み合うことなく15ラウンド引き分けとなった。瞬間最高視聴率54.9%という驚異的な数字を叩き出しながら「世紀の大凡戦」と批判されたのは有名だ。

メイウェザーがクールに戦えば、3ラウンドを無傷で終えることは難しくない。朝倉が反則を犯さないのはもちろんだが、その上で熱いファイトになるかどうかは、いかにクリーンヒットを当てるかにかかっている。

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