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Bリーグ6代目新人王は三河・西田優大が最右翼、新人賞ベストファイブは?

2022 4/14 11:00ヨシモトカズキ
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代表でも活躍する西田、新人王は当確か?

毎年有望な選手が門をたたくBリーグだが、今シーズンも多くの選手が加入してきた。前身のNBL、bjリーグでは収入の安定のため実業団を選ぶ選手が多かったが、現在は毎年20名近い選手がBリーグでのプレーを選択している。またBリーグには特別指定選手制度があり、大学在学中からプレーできる機会を与えられていることも大きい。

ここでは特別指定選手ではなく、今シーズン新たに正式契約を結び、新人王獲得の権利がある選手たちを紹介する。過去の新人王の歴史を紐解くと、以下のような顔ぶれだ(所属は当時)。

16−17シーズン ベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)
17−18シーズン 馬場雄大(アルバルク東京)
18−19シーズン 岡田侑大(シーホース三河)
19−20シーズン 前田悟(富山グラウジーズ)
20−21シーズン テーブス海(宇都宮ブレックス)

いずれの選手もチームの主軸として活躍し、ベンドラメと馬場は昨年の東京オリンピックに出場。その他の選手も今後のリーグを担う存在として期待されており、有望な若手の登竜門と言えよう。

今シーズンの新人王最右翼は、シーホース三河#19西田優大だろう。大学3年時に名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、大学4年時は新潟アルビレックスに特別指定選手として在籍し、出場機会が与えられ、期待をかけられていた。

元々西田は学生時代から世代NO.1スコアラーの呼び声が高く、2016年のU18アジアカップでは準優勝の立役者になり、翌年には八村塁(ワシントン・ウィザーズ)らとともにU19ワールドカップにも出場している。学生時代は正確な3Pシュートに注目されていたが、東海大進学以降はドライブからの得点も増加した。

正式に選手契約をしてBリーグ入りした今シーズン、ここまで全試合出場を果たし平均11.5得点を記録。この数字は新人選手の中ではダントツのトップで、リーグ全体でも日本人選手13位だ。

また西田は日本代表での活躍も期待されており、2月に開催されたFIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選Window2でも得点源に。リーグ、日本代表を背負う存在として、西田の新人王の可能性は非常に高い。

チーム事情が苦しい中ウイングポジションの新人が奮闘

次に西田の対抗馬、そして一昨シーズンから新設された「新人賞ベストファイブ」の候補選手を見ていきたい。

チームの状況は厳しいものの、新潟には#14木村圭吾、#34遠藤善の2人が主力で活躍している。八王子学園八王子高校を卒業後アメリカに渡った木村は、今シーズン帰国し新潟に加入。序盤はなかなかチャンスがもらえず苦しんでいたが、12月以降出場機会を得て2月以降は20分以上の出場時間を獲得。学生時代は爆発的なシュート力を武器とし、加えて現在はドライブからでも得点できる選手になっている。

一方、遠藤は昨シーズンは特別指定選手として大阪エヴェッサに加わり、今シーズンは地元の新潟へ。182cmとSGとしては小粒だが、身体能力の高さを生かしたプレーが持ち味で、新人選手としては2位となる7.3得点を記録。ケガで離脱した期間があったものの、試合に出ればしっかりと成績を残している。ただしフリースローが36.1%と壊滅的で、この数字を上げられればチームからより重宝されそうだ。

こちらもチーム状況は決して良くないものの、スタメンとして安定した成績を残しているレバンガ北海道#17山口颯斗。西田と同様、内外角で得点ができるオールラウンダーで、走力も魅力の選手。外角シュートの不調から、特別指定選手だった昨年から成績を落としているが(得点:8.6→6.4、FG%:41.5→34.4)、長身フォワードとしてポテンシャルを秘めているだけに来シーズン以降の活躍に期待したい。現在の成績でもベストファイブに十分値する成績だ。

また同タイプの三遠ネオフェニックス#28津屋一球も候補の一人。平均6.1得点をあげる一方で、ディフェンスでの貢献度も大きく、三遠のウイングポジションの選手では最も攻守のバランスが取れている。

これまでをまとめると今シーズンのベストファイブは、西田、木村、遠藤、山口、津屋の5名と予想したい。

現在は小粒な世代もポテンシャルの高い選手が揃う

ここまで新人王候補とベストファイブ候補をあげてきたが、今シーズンのルーキーは少々小粒と言える。高校時代から一つ上の世代は八村や川崎ブレイブサンダース#11増田啓介、琉球ゴールデンキングス#88牧隼利などアンダーカテゴリーで世界大会を経験している選手がおり、一つ下は千葉ジェッツ#13大倉颯太、北海道#66松下裕汰などこの代も粒ぞろいで、多くの選手が今冬に特別指定選手で各チームに加入している。

今シーズンの新人に話を戻すと、活躍が期待されていた琉球#34渡邉飛勇がケガで全休。さらに岡田やアルバルク東京#75小酒部泰暉や広島ドラゴンフライズ#5アイザイア・マーフィーといった同世代の有力株が一足早くBリーグ入りしている影響も大きい。

他にも、A東京#8吉井裕鷹、サンロッカーズ渋谷の#12西野曜の大型フォワード陣、司令塔の群馬クレインサンダーズ#14菅原暉などポテンシャルの高い選手はいるが、選手層が厚いチームに所属していることもあり出場時間を与えられておらず、成績も十分とは言えない。ただし環境次第で今後の活躍は期待でき、彼らの真価は数年後に出てきそうだ。

ここに名前をあげていないルーキーも各クラブで成績を残していることから、有力なことに代わりはなく今後のリーグを引っ張る存在になってくれることを期待したい。

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