“歴代最強”AKATSUKI JAPAN
2024年パリ五輪の開会式が現地時間7月26日に行われ、いよいよ本格的に競技がスタートする。大会は32競技329種目が実施され、日本からは400人以上の選手が参加予定だ。
数多くある注目種目の中でも、今まで以上に大きな注目を集めるのが日本男子バスケットボール「AKATSUKI JAPAN」だろう。今大会はNBAロサンゼルス・レイカーズ所属の八村塁、NBAで日本人最長となる6シーズンを過ごした渡辺雄太(現千葉ジェッツ)、NBAメンフィス・グリズリーズと9月にエグジビット10契約を締結予定の河村勇輝、NBAインディアナ・ペイサーズとエグジビット10契約を締結した富永啓生などが揃い、歴代最強の呼び声も高い。
そこで今回は、本日の日本時間20:30開始予定のAKATSUKI JAPANのグループリーグ第一戦ドイツ戦の注目ポイントを紹介する。
いきなり「金」候補のワールドカップ王者と対戦
まずは対戦相手のドイツについて紹介する。ドイツは最新のFIBAランキング3位。そしてなんと言っても昨年のFIBAワールドカップ2023優勝国だ。メンバーにはデニス・シュルーダー(ブルックリン・ネッツ)やフランツ・ワグナー(オーランド・マジック)といったNBA選手が4人含まれている。ドイツとは本大会前の強化試合でも対戦し、83-104で敗れている。
ドイツの強みは、チームとしての総合力が極めて高いこと。オフェンスに関しては中外どちらからでも点が取れる。国際経験豊富な選手が多いことも特徴の一つ。華のある選手は少ないが、それぞれの選手が自身の役割を完全に理解し、遂行する「バスケ職人」の集まりだ。こういったチームは波が少なく安定感があり、当然に強い。今大会でも金メダル候補に挙げられる強豪チームだ。
「河村勇輝vsデニス・シュルーダー」のマッチアップに注目
日本は初戦からかなり厳しい戦いを強いられるのは間違いない。下馬評はドイツ圧勝が大勢だろう。史上初のベスト8進出を掲げる日本にとって、いきなりの難関となってしまった。日本勝利のカギを探りつつ、試合観戦時の注目ポイントを解説していく。
この試合、ドイツで注目すべきプレーヤーは、NBAブルックリン・ネッツ所属のデニス・シュルーダーだ。1993年生まれの30歳でNBA歴は10年。身長185.4cm、体重79.4kgと日本人選手と大きく変わらない体格でポジションはガード。今シーズンは80試合に出場して一試合平均14.0点、6.1アシスト、3ポイント成功率は37.5%を記録した。
プレーヤーとしての特徴はスピードを生かした高い得点能力。3ポイントラインより外から一気にスピードを上げ、ゴールにアタックして得点を奪う。今シーズンはゴール下でのシュート成功率50.5%を記録。ガードながらペイントエリアでの強さをみせた。スリーポイントに関しても右隅からの成功率48.2%と、絶対にフリーで打たせてはいけないプレーヤーだ。
シュルーダーはドイツの中心選手で昨年のFIBAワールドカップでも大会MVPを獲得。好き勝手にコート上を走り回られると一気にドイツペースになり、チームが勢いづく。日本が勝つためには、シュルーダーの抑えは必須となる。
そのための日本のキープレイヤーが河村勇輝だ。現在の日本代表でシュルーダーにスピードで対抗できるのは彼だけ。河村がシュルーダーとのマッチアップで後れをとるようだと、日本の勝利は大きく遠のいてしまう。
河村はオフェンス面での活躍も必須となるだろう。まず絶対に走り負けてはいけない。トランジションゲームで主導権を握る必要がある。また、日本の得点源となる八村やホーキンソンには厳しいマークが想定される。2人がインサイドでボールを持てばダブルチームを仕掛けられ、身動きが取れなくなるのは目に見えている。
得点を稼ぐためには、河村らガード陣の活躍が不可欠だ。スリーポイントを確実に決め、ミスマッチがあれば積極的にゴールにアタックし得点もしくはファールを獲得。そしてフリースローで着実に得点を奪う。そうすれば八村やホーキンソンの得点も自然と上がってくるはずだ。
河村がシュルーダーを抑えることが出来れば、わずかではあるが日本にも勝機は見えてくる。「河村vsシュルーダー」のマッチアップに注目しながら、グループリーグ第一戦の戦いを見てほしい。
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