野球でも「マイアミの奇跡」、3大会ぶりの世界一
様々なスポーツの話題で盛り上がった2023年も残りわずか。今回は野球日本代表『侍ジャパン』の2023年を振り返りながら、来年の注目ポイントをまとめてみたい。
2023年の目玉と言えば、何といっても3月に行われた『2023 WORLD BASEBALL CLASSIC』。新型コロナウイルスの情勢などにより2017年の第4回大会を最後に長らく開催がなかった野球の世界一決定戦が行われ、そこに“史上最強”の呼び声高い栗山ジャパンが挑んだ。
残念ながら鈴木誠也は故障で離脱となったものの、大谷翔平やダルビッシュ有に加え、史上初めて日系選手として日の丸を背負うこととなったラーズ・ヌートバーといった現役メジャーリーガーたちが参戦。新たにメジャー挑戦が決まっていた吉田正尚も、1年目の開幕前という重要な時期にも関わらず強い意思を示して世界一奪還を目指すチームに加わった。
本番前の実戦を5勝1敗で終え、1次ラウンドは危なげなく4連勝で突破。準々決勝もイタリアを9-3で破ってアメリカ行きを決める。迎えた準決勝の相手はメキシコ。序盤に3点の先行を許し、追いつきながらも突き放される展開で1点ビハインドのまま9回裏へ。先頭の大谷が二塁打を放ち、全身で気合を表現しながらベンチを鼓舞すると、吉田の四球を挟んで無死一・二塁で村上宗隆が打席に向かう。
日本が誇る若き三冠王は当初チームの4番を任されるも、東京ラウンドから思うような結果が残せずに不振に苦しんでいた。この試合でも3三振に三邪飛という散々な結果に終わっていたのだが、この場面では甘く入ったボールを逆らわずに左中間へとはじき返してボールは外野を転々。同点の走者・大谷に続き、代走で一塁に入っていた周東佑京も一気に生還を果たし、劇的な逆転サヨナラで決勝進出を決めた。
不振にあえいだ主砲がもたらした歓喜の瞬間。舞台がフロリダ州マイアミのローンデポ・パークだったこともあり、アトランタ五輪でサッカー日本代表がブラジルを撃破した「マイアミの奇跡」が競技を変えて再び起こったということも大きな話題となった。
勢いのままに臨んだ決勝、地元・アメリカとの最終決戦も先制こそ許しながらすぐにひっくり返し、中盤以降は自慢の投手陣が奮闘。3-2の9回は大谷がマウンドに登り、チームメイトのマイク・トラウトを三振に斬ってゲームセット。3大会ぶりのWBC制覇を成し遂げた。
大谷が大会MVPと投手・指名打者のベストナインW受賞、吉田も外野手としてベストナインに輝いたほか、11月には栗山英樹監督と大谷が正力松太郎賞の特別賞を受賞。さらにこの12月にも第72回日本スポーツ賞の受賞が発表されるなど、年末まで話題の尽きない1年となった。
▼ 侍ジャパントップチーム・2023年の戦績
・『カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎』
2月25日(土)vs.ソフトバンク ○(8-4)
2月26日(日)vs.ソフトバンク ○(4-2)
・『カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 名古屋』
3月3日(金)vs.中日 ●(2-7)
3月4日(土)vs.中日 ○(4-1)
・『カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 強化試合』
3月6日(月)vs.阪神 ○(8-1)
3月7日(火)vs.オリックス ○(9-1)
・『2023 WORLD BASEBALL CLASSIC』
3月9日(木)vs.中国 ○(8-1)
3月10日(金)vs.韓国 ○(13-4)
3月11日(土)vs.チェコ ○(10-2)
3月12日(日)vs.オーストラリア ○(7-1)
3月16日(木)vs.イタリア ○(9-3)
3月21日(火)vs.メキシコ ○(6-5)
3月22日(水)vs.アメリカ ○(3-2)
・『カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023』
11月16日(木)vs.チャイニーズ・タイペイ ○(4-0)
11月17日(金)vs.韓国 ○(2-1)
11月18日(土)vs.韓国 ○(2-1)