打率4割、10打点の吉田正尚
第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)を戦う日本代表「侍ジャパン」で打線を牽引しているのが吉田正尚(レッドソックス)だ。
16日の準々決勝イタリア戦では、不振だった村上宗隆(ヤクルト)に代わって4番に座り、7回に右越え本塁打を放つなど2打点。今大会通算では15打数6安打の打率4割、1本塁打、10打点、出塁率.522、OPS1.188をマークしている。
9打点のランディ・アロサレーナ(メキシコ)、8打点のジャン・ユーチェン(チャイニーズ・タイペイ)、チームメイトの大谷翔平(エンゼルス)らを抑えて出場全チームで打点トップに立っている。
日本打線はラーズ・ヌートバー(カージナルス)、近藤健介(ソフトバンク)、大谷の1~3番が好調で、村上も準々決勝で2安打と復調気配。吉田にチャンスで打席が巡ってくる機会が多く、メキシコとの準決勝(日本時間21日午前8時)でもポイントゲッターとして大いに期待される。
1大会最多はバレンティンの12打点
これまでの1大会最多打点は前回2017年大会でウラディミール・バレンティン(オランダ)がマークした12打点。2009年大会の金泰均(韓国)が11打点で続く。
日本選手では2006年大会の多村仁(当時横浜)の9打点が1大会最高だったが、吉田がすでに更新。通算でも松田宣浩(当時ソフトバンク)が2013年と2017年の2大会合計で記録した12打点が最多だ。
つまり吉田はあと2打点で1大会最多打点記録、日本選手のWBC通算打点記録に並び、3打点ならいずれも新記録となる。いやが上にも期待は高まっていくのだ。
4死球も全チーム最多
日本では三振の少ない打者として知られ、2022年の41三振は規定打席到達者でリーグ最少。三振を1つ喫するまでにかかる打席数を示すPA/Kも12.39とリーグ1位だった。さらに2021年は17.50、2020年は16.97と驚異的な数値を叩き出しており、「日本で最も三振しない打者」と言っても過言ではない。
もちろん、今大会も23打席に立って三振0。さらに打点以外に死球数も4で全チーム最多となっている。対戦相手の投手の制球力にもよるが、それだけ内角を厳しく攻められている証拠だろう。
実はオリックスでプレーしていた2022年も9死球、2021年は5死球、2020年は8死球と元々死球の多い選手。準決勝のメキシコ戦でも厳しい内角攻めが予想される。
3大会ぶりの頂点まであと2勝。東京ドーム同様、マイアミでも吉田のバットが火を噴けば、歓喜の美酒に大きく近付くことは間違いない。
【関連記事】
・【WBC】鬼門の準決勝に挑む侍ジャパンが試される不慣れな地での勝負強さ
・WBC侍ジャパン「4番・村上宗隆」は是か非か、栗山監督の決断は?
・ワールド・ベースボール・クラシックの歴史と開催経緯、歴代優勝国