3大会ぶり優勝へのポイント
3月8日に開幕する第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)で3大会ぶりの世界一を狙う侍ジャパン。メジャーリーガーを5人招集し、史上最強と言ってもいい布陣となった。
ポイントのひとつに挙げられるのが大谷翔平の起用法だ。栗山英樹監督は「二刀流」として投打両方で起用したい意向で、投手としても野手としてもMLBの一線級で活躍していることから考えると、どちらかに専念させるのはもったいない。マウンドと打席でフルに実力を発揮することが、日本が優勝するための近道となるはずだ。
ただ、MLB開幕前にケガを恐れるエンゼルスの意向や契約の問題もあるだろう。大谷に限ったことではないが、推定で約40億円と伝わる高額年俸を稼ぐ選手だけにリスクは大きい。ケガはしなくても、WBCにピークを合わせるとその後のシーズンで調子が落ちる可能性もある。
投手としては、エンゼルスで先発しかしていないことからリリーフでの起用は難しい。やはり先発として起用し、登板日以外はDHとしてスタメン出場するのが理想だ。
打者としては何番が最適なのか議論を呼んでいるが、その時の調子や合流時期も不明なことからギリギリまで見極める必要がある。テストする時間や大会前に組まれている強化試合も少ないだけに、首脳陣も判断に迷うところかも知れない。
プレミア12では投手専念でベストナイン
大谷は日本ハム時代の2015年に日本代表として第1回プレミア12に出場している。プレミア12はシーズン終了後の11月に開催。同年はチームで投手として15勝5敗、防御率2.24をマークし、最多勝、最優秀防御率、最高勝率の3冠に輝いたシーズンだった(打者としては打率.202、5本塁打)。
プレミア12では投手に専念し、11月8日の1次ラウンド韓国戦に先発。6回で91球を投げ、2安打、10奪三振、無失点と完璧な投球でチームの勝利に貢献した。
さらに11月19日の準決勝・韓国戦にも先発。大谷は7回で85球を投げて1安打、11奪三振、無失点と封じ込んだが、リリーフ陣が9回に4点を失い、3-4で逆転負けした。結局、同大会は決勝でアメリカを破った韓国が優勝している。
大谷は2試合計13回で3安打、21奪三振、防御率0.00の成績を残してベストナインに選ばれた。7年以上前で開催時期も違うとはいえ、国際大会での実績を持っているのは心強い。
今回のWBCでも球数制限は1次ラウンド65球、準々決勝80球、準決勝以降は95球と過去の大会と同様に規定されている。条件が整えば、規定の範囲内で大谷のスキルをフル活用したいのが栗山監督の本音だろう。
今後は2月17日に宮崎で合宿が始まり、同25日と26日にひなたサンマリンスタジアム宮崎でソフトバンク戦、3月3日と4日はバンテリンドームナゴヤで中日戦、同6日に京セラドーム大阪で阪神戦、7日に同球場でオリックス戦が組まれている。東京ドームで行われるWBCの1次ラウンドは9日から中国、韓国、チェコ共和国、オーストラリアと4連戦だ。
大谷らメジャーリーガーは3月6日の試合からしか出場できないと報じられており、未知数な部分も多い。首脳陣は直前まで手探り状態が続きそうだ。
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