ソフトバンクでは柳田悠岐と内川聖一が「開幕」一軍へ
新型コロナウイルスの影響で、2020年のプロ野球は4月24日の開幕を目指すことになった。選手たちは春季キャンプやオープン戦で調子を整えてきたが、一度緩めるのか、それともそのままピークを維持していくのかの判断をしなければならない。
一方で故障からの復帰を目指す選手や調子が上がっていなかった選手、さらには結果を残すことができていなかった選手にとって、開幕の延期は好都合となる。
海の向こうでは、MLBの開幕が5月以降にずれ込む影響で、大谷翔平(エンゼルス)は開幕当初から、投手、野手の二刀流でプレーできる可能性が出てきた。同じように日本でも「開幕」から出場できるようになりそうな選手は多くいる。
4年連続日本一を狙うソフトバンクでは、柳田悠岐と内川聖一がそうだ。
柳田はこのオフシーズンに右肘の手術を行い、春季キャンプはリハビリ組スタートだった。本人は本来の開幕である3月20日に照準を合わせており、すでに二軍では試合にも出場していたが、急ピッチ感は否めなかった。しかし、この延期によってより万全な状態で一軍に合流できるようになったわけだ。
一方の内川は、春季キャンプ途中に左膝の関節炎でリハビリ組に回っていた。内川も柳田同様に実戦復帰しており、4月10日以降の開幕には間に合う見込みだ。
故障者が続出していたソフトバンクにとって、主軸2人の復帰はこの上ない戦力アップとなる。
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昨季新人王を争った村上宗隆、近本光司にも好影響
ヤクルトの村上宗隆にとっても、開幕延期は好都合となったはずだ。高卒2年目だった昨シーズンに36本塁打を放つ活躍を見せ、今シーズンも同様の活躍を期待されていた村上だが、春季キャンプ序盤で離脱してしまう。
オープン戦の終盤から試合に出場したものの、打率.083(12打数1安打)と絶不調。守備にもほとんどついていなかった。しかし、開幕の延期で余裕ができた。3月20日からの練習試合3試合では、本塁打こそ出ていないが、打率.250(12打数3安打)。一塁と三塁両方の守備についており、徐々に調子を上げてきている。
村上と昨季新人王を争った阪神の近本光司は、3月17日から3日間に渡って、腸炎の影響で全体練習を欠席していた。本来の開幕日である3月20日のヤクルトとの練習試合には不出場だったものの練習を再開。22日にはキャッチボールを行った。今後は体調次第で本格的な練習を再開する見込みだ。
広島のローテーション争いは延長戦へ
開幕の延期によってローテーション争いに生き残った選手もいる。広島の九里亜蓮や遠藤淳志がそうだ。今シーズンの広島は、大瀬良大地、クリス・ジョンソン、森下暢仁、床田寛樹と先発ローテーションの4人目まではほぼ確定。だが、野村祐輔の離脱もあり、残りの2枠は決まらず、九里や遠藤、そしてアドゥワ誠と薮田和樹らで争っている状況だ。
これまでの実績からすると九里が候補の一番手だったが、オープン戦と教育リーグで結果を残せず二軍で苦しんでいた。しかし、3月19日の練習試合(二軍)で4回無失点と好投。佐々岡真司監督から一軍再昇格の通達を受けている。開幕延期でローテーション争いに踏みとどまった格好だ。
また、ふくらはぎの肉離れからの復帰を目指している野村も3月18日の練習試合(二軍)で2回無失点と調子を上げてきた。開幕時期によっては開幕ローテーションでスタートできそうなほど。争いがさらに活発になることは佐々岡監督にとっても喜ばしいことだろう。
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