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ヤクルトは新戦力が揃って結果、離脱の村上宗隆は開幕に照準

2020 2/26 06:00勝田聡
ヤクルトの村上宗隆選手ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

新戦力が続々と実戦デビュー、吉田大喜は2回無失点

最下位脱出を目指すヤクルトは例年通り一軍が沖縄県浦添市、二軍が宮崎県西都市でキャンプを行った。多くの新戦力は浦添でキャンプをスタートさせた。

そのなかでアルシデス・エスコバーは遊撃、三塁の両ポジションを無難にこなし、打撃面でも悪くない結果を残している。MLB時代は四球を選ぶことが少なかったが、打席を見る限りは外の変化球に安易に手を出すことはなく、我慢している。打順は他の打者との兼ね合いもあるが、外の変化球の見極めができるなら、上位打線での起用もありえそうだ。

楽天から加入した嶋基宏は今年36歳という年齢を感じさせない動きを見せている。古巣楽天との練習試合では元チームメートらと笑顔を交わしており、余裕が感じられた。

投手陣ではガブリエル・イノーアとマット・クックの両外国人投手が練習試合で登板した。イノーアは150キロを超えるストレートを軸に力で押す投球ができた。一方のクックは制球を乱す場面が多く、コントロールに不安が見られた。もう少し調整が必要そうだ。

また、ソフトバンクから加入した長谷川宙輝も140キロ台後半のストレートを中心とした投球で結果を残している。楽天から加入の今野龍太は中継ぎとして機能。オープン戦では2回を投げ失点0と好投を見せた。

吉田大喜、杉山晃基、大西広樹の大卒新人トリオも春季キャンプで一軍スタートを勝ち取り、そのまま離脱することなく帯同を続けた。そのなかで吉田と大西はともに対外試合で無失点と好投。一方で杉山は2回もたず6失点とプロの洗礼を受けた。

大注目のドラフト1位右腕・奥川恭伸は西都からノースロー調整からのスタートだった。ネットスロー、キャッチボールと徐々に強度を上げ、2月22日に初めてブルペンに入って異常がなかったため、24日には2度目のブルペン入り。一軍で投げる、投げないといった話はまだで、実戦登板は3月以降となりそうだが、完全投球へ向け確かな一歩を踏み出している。

キャンプ序盤に村上宗隆が離脱

気になるのは村上宗隆の状態だ。昨シーズン36本塁打を放った主砲は、ソフトバンクに移籍したウラディミール・バレンティンの穴を埋めることを期待されていた。

しかし、キャンプ序盤に下半身のコンディション不良により一軍から離脱。西都での二軍キャンプには合流したものの、本格的な復帰はいつになるかわからない。本人も「開幕には戻れるように」と語っており、特段焦る様子はないが、村上の不在はチームにとって大きな痛手となる。

野手陣では奥村展征、荒木貴裕といった一軍の控え陣も離脱。一軍復帰の話は聞こえてこず、サブ的な役割を担う選手の台頭も必要になりそうだ。

投手陣はどうか。先発・中継ぎと両役割で起用されてきた大下佑馬も下半身のコンディション不良で二軍調整へ。回跨ぎもこなせる中継ぎだけに復帰が待たれる。

故障状況に関して、詳細な情報はチームから発表されていない。多くは上半身または下半身のコンディション不良といった内容である。全治はもちろん復帰の目処がわからず、ファンがやきもきするのは事実だが、球団の方針は仕方ない。

とはいえ、幸いにも大きな怪我はここまで出ていない。村上をはじめとした選手たちが、開幕に間に合うことを願う。

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