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ソフトバンクは森唯斗が絶対的な存在、楽天は3投手の争いに【パ・リーグ守護神事情】

2020 2/19 11:00勝田聡
福岡ソフトバンクホークスの森唯斗ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

西武、ソフトバンクは昨年同様に増田と森か

近年のプロ野球では投手の分業制があたりまえとなり、先発投手が完投を求められることは減った。その一方で重要度が増したのが中継ぎ陣である。なかでも勝ち試合の終盤に登板することの多い「勝ちパターン」は、どこのチームも力を持った投手が務めている。

その最後を締める守護神を今シーズンは誰が任されることになるのだろうか。パ・リーグ6球団の現状を探ってみたい。

パリーグ3連覇を目指す西武は、増田達至が守護神を務めることが濃厚だ。増田は2016年、2017年と2年連続で28セーブをマークしたものの、2018年は不振で14セーブ、防御率5.17と苦しみ守護神の座を奪われた。昨シーズンも開幕は中継ぎスタートだったが、守護神のデュアンテ・ヒースの調子が上がらなかったため、その座を奪還している。今年は開幕から1年間を通じて安定した投球をすることが求められる。

4年連続の日本一、そして3年ぶりのパリーグ制覇を目指しているソフトバンクは、森唯斗が昨シーズンに続いて守護神の座に収まりそうだ。森の前任であるデニス・サファテもこの春季キャンプは初日から汗を流しているが、現時点で二軍相当のB組。ブルペン投球は行なっているものの、昨シーズンは登板がなく実戦からは長期間に渡って遠ざかっている。すぐに争いとなることはなさそうだ。

楽天は松井裕樹の先発転向で空席に

楽天は不動の守護神を務めていた松井裕樹が先発に転向する。前年に最多セーブのタイトルを獲得した投手の穴を埋めるのは容易ではない。松井が春季キャンプやオープン戦で先発の目処が立たなければ戻ってくる可能性もあるが、現時点でその可能性は限りなく低い。2月15日に行われた練習試合でも先発で2回を投げ、完ぺきな投球を披露している。

候補は森原康平、アラン・ブセニッツに新外国人のJ.T.シャギワの3人となる。森原はフォーク、ブセニッツは速いカーブ、シャギワはシンカーと決め球も異なる。現時点で抜け出している存在はおらず、開幕まで争いは続きそうだ。

このオフシーズンに中継ぎとして、フランク・ハーマンとジェイ・ジャクソンを補強したロッテ。両投手ともセットアッパーの経験があり心強い。春季キャンプ開始時点では、昨シーズン守護神を務めた益田直也含めた3人の争いだった。しかし、ジャクソンは肉離れで離脱しており開幕までに復帰できるかはわからない状態。ハーマンと益田の一騎打ちとなりそうだ。

オリックスはディクソンが昨年に続き守護神へ

日本ハムは中継ぎ陣の主だった補強はなく、石川直也と秋吉亮の一騎打ちとなる。石川は192センチの長身から投げ下ろすストレートとフォークが武器。一方の秋吉はサイドから投げ込むストレートとスライダー、そして時折混ぜるチェンジアップが特徴と持ち味が異なる。栗山英樹監督がどう考えるか。

オリックスはブランドン・ディクソンが抑えを任されることが確実。昨シーズン中盤から守護神に任命され、18セーブをマークした実績もある。西村徳文監督も昨年末に明言しているほどで、昨シーズンは不振を極めた増井浩俊が返り咲きを狙うが、ディクソンにアクシデントが起きない限り、その座は揺るがなそうだ。

今シーズンのパ・リーグ守護神事情を見ると、楽天、ロッテ、日本ハムが争いの真っ只中。勝ちパターン、なかでも守護神の状態はリーグ制覇を目指す上で重要になってくる。各球団はシーズン開幕前に固定できるだろうか。

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