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節目の記録に迫るDeNA山崎康晃、昨季の下位3球団は争奪戦に【セ・リーグ守護神事情】

2020 2/19 06:00勝田聡
通算200セーブも見えてきた山崎康晃ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

巨人デラロサ、DeNA山﨑、阪神藤川は、ほぼ確定か?

春季キャンプでは数多くの争いが行われている。そのひとつに守護神争いがある。現在のプロ野球ではリリーフ陣、とくに勝ち試合の終盤を任される「勝ちパターン」投手の存在は極めて重要になった。多くの場合、その最後を締める守護神を、各球団ともリリーフ陣の顔と呼べる投手が務める。今シーズンは誰がその守護神を任されるのだろうか。セ・リーグ6球団の状況を確認してみたい。

セ・リーグ連覇を目指す巨人では、ルビー・デラロサの起用が濃厚だ。昨シーズン、途中加入したデラロサは後半戦から守護神となり8セーブをマーク。防御率も2.25と優秀だった。このオフシーズンに獲得した160キロ右腕のチアゴ・ビエイラも候補となるが、崩れるまではデラロサが守護神となりそうだ。

DeNAでは、日本代表の守護神でもある山﨑康晃が不動の存在。アクシデントがない限りは、まず間違いないだろう。山﨑は現在163セーブと節目の200セーブまであと37セーブに迫っている。キャリアハイは2015年と2018年の37セーブであり、今シーズン中の快挙達成も不可能ではない。

昨シーズン3位でクライマックスシリーズに出場した阪神では、今年40歳になる藤川球児が守護神を務めることになりそうだ。昨年中継ぎの柱として活躍したラファエル・ドリスとピアース・ジョンソン、ふたりの外国人投手がこのオフシーズンに退団。その穴埋めとして右腕のジョン・エドワーズを獲得したが、実力は未知数。藤川には日米通算243セーブという実績があり、昨シーズンも半ばから守護神を任されている。大きな不安はないだろう。守護神・藤川、セットアッパー・エドワーズの体制で開幕を迎えることが濃厚だ。

昨年の上位3球団は、シーズン終盤と同じ顔ぶれで開幕を迎えることになりそうだ。

下位3球団はすべて競争に

一方の下位3球団では守護神争いが起こっている。

広島は昨シーズン中﨑翔太を立てて開幕したが、不振が続きヘロニモ・フランスアへスイッチした。オフには新外国人投手としてDJ.ジョンソンを獲得。ジョンソンは「抑えをやるために日本へと来た」と守護神争いを制する強気のコメントを残した。すでにフリー打撃では、好内容を見せているのも心強い。フランスアとジョンソンの外国人投手による争いとなりそうだ。

中日はライデル・マルティネスの起用が有力だが、キューバ代表の一員として戦うことで開幕からしばらく不在となる。その期間を誰に任せるのかで与田剛監督は思案しているようだ。現時点では岡田俊哉と藤嶋健人のふたりが競っている状態であり、どちらがその座を射止めるのか、オープン戦まで争いは続く。

高津臣吾新監督体制となったヤクルトでは、石山泰稚、スコット・マクガフそして五十嵐亮太と3人の名前が挙がっている。その条件として体の強さが求められており、連投ができ、年間を通じて戦える投手が任されることになるわけだ。昨シーズンは石山が2度離脱。梅野雄吾を挟んで最終的にはマクガフが守護神の座についた。今シーズンは、開幕から最終戦までをひとりで投げ抜いてもらいたいというのが監督の本音だろう。

昨シーズンのセ・リーグ下位3チームは、現時点で守護神は定まっていない。上位浮上を果たすためにも、守護神を固定し勝ちパターンを確立させたいところ。春季キャンプ、オープン戦での守護神争いに注目だ。

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