このオフ5人が国内移籍
キャンプイン直前。昨シーズンまでオリックスに在籍していたステフェン・ロメロが楽天と契約を締結した。これでこのオフシーズンに国内移籍を果たした外国人選手はクリスチャン・ビヤヌエバ(巨人→日本ハム)、フランク・ハーマン(楽天→ロッテ)、ロベルト・スアレス(ソフトバンク→阪神)、ウラディミール・バレンティン(ヤクルト→ソフトバンク)についで5人目となる。
オリックスがアダム・ジョーンズを連れてきたように国外から大物外国人を招聘したり、もしくは格安で獲得することも手段としてはあるが、活躍するかどうかは蓋を開けてみなければわからない。実力はもちろんだが、環境面で適応できないケースも多くある。一方で国内移籍であれば、環境への適応に問題がないこと、実力がある程度わかっており計算しやすいことが獲得を後押ししていると見られる。
さて、この国内移籍した外国人選手たちは移籍初年度から結果を残しているのだろうか。2014年オフシーズンから2018年オフシーズン(移籍初年度は2015年から2019年となる)にかけて、国内移籍を果たした選手たちの初年度成績を投手、野手に分けて振り返ってみたい。
スタンリッジが規定投球回到達
投手では2014年オフに3人の移籍が発生した。キャム・ミコライオ(広島→楽天)、チェン・グァンユウ(DeNA→ロッテ)、ブライアン・バリントン(広島→オリックス)である。
ミコライオは守護神として期待されたが、オープン戦で負傷。その後、二軍では復帰したものの一軍登板はないままシーズンを終えた。チェンはDeNA時代にわずか1試合のみの出場だったが、ロッテ移籍初年度となったこの年は14試合(先発13試合)に登板。NPB初勝利を含む5勝を挙げ、戦力となった。2020年シーズンもロッテで現役を続けており、息の長い活躍を見せている。
その年、2位になったオリックスはこのオフシーズンに大型補強を敢行した。そのひとりが先発のバリントンだった。前所属の広島では4年間で40勝を挙げており先発の軸として期待されたが、故障もありわずか5勝。そのオフに自由契約となっている。
2015年オフにはジェイソン・スタンリッジがソフトバンクからロッテへと移籍した。NPBではソフトバンク(2度)、阪神と渡り歩き3球団目の所属ということもあり、問題なく適応。27試合に先発し、162回を投げ8勝8敗と結果を残している。
2017年オフに中日からヤクルトへ移籍したジョーダン・アルメンゴは故障で離脱。帰国しての治療だったが、復帰することはなく前半戦途中で自由契約となった。
昨シーズンはオネルキ・ガルシアが中日から阪神へと移籍した。先発の柱として期待されたものの、結果を残すことができず苦しんだ。シーズン終盤には中継ぎで好投を見せるも期待された働きはできなかった。
レアード、デスパイネ、ロペスが初年度から結果
投手はあたりはずれが大きかったが野手はどうだろうか。2014年オフシーズン以降で見ると、ブランドン・レアード(日本ハム→ロッテ)、ホセ・ロペス(巨人→DeNA)、アルフレド・デスパイネ(ロッテ→ソフトバンク)の3人が期待通りの結果を残し、チームになくてはならない存在となった。
とくにロペスは外国人選手としては珍しく、守備でも貢献している。昨シーズン途中には一塁手としての連続守備機会無失策のNPB記録もつくっている。
ロペスはすでに移籍してから5シーズンが経過。6シーズン目となる今年も、同じユニフォームを着ることが決まっている。レアードは2年目だが今年から2年契約を結んでおり、少なくともロッテで3シーズンを戦うことになりそうだ。
その他の選手で見ると、トニ・ブランコ(DeNA→オリックス)は打率1割台、9本塁打に終わり結果を残すことができなかった。ウィリー・モー・ペーニャ(オリックス→楽天)はキャンプ終了後の3月に契約。125試合の出場で17本塁打を放ったが、40打点と打点が極端に少なくこの年限りで自由契約となった。その後、2017年シーズン開幕後にロッテと契約し再び来日している。
ヘクトル・ルナ(中日→広島)、ルイス・クルーズ(ロッテ→巨人)、アレックス・ゲレーロ(中日→巨人)の3人はそこそこの結果を残したが、外国人選手としては物足りない成績に終わってしまった。
国外から新外国人選手を迎え入れるよりは、活躍する可能性が高そうだが、それでも全員が活躍するわけではない。また、比較的に投手よりも野手の方が結果を残している。はたして、このオフシーズンに移籍を果たした選手たちはデスパイネやロペス、スタンリッジのように結果を残すことができるだろうか。
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