バレンティン獲得も課題は「1・2番」打者
バレンティン獲得に成功し、戦力を充実させて4年連続日本一に挑もうとしているソフトバンク。デスパイネとグラシアルの残留も正式に決まり、強烈な外国人大砲トリオが形成される。さらに、和製大砲には柳田悠岐と松田宣浩もいる。この全員がスタメンとなれば、昨季MLBツインズが史上初めて達成して話題になった「30本塁打×5人」という、夢のような打線が実現するかもしれない。
しかし昨季のソフトバンク打線を振り返ると、「最強打線」実現にはバレンティン加入だけではまだ足りないピースがある。
課題となっていたのは中軸へつなぐ1・2番打者だ。
昨季の打順別打撃成績を見ると、全打順で2桁本塁打を記録して下位打線まで厚みがあったものの、1・2番の成績は低迷。役割がチャンスメークであることを考えれば重要視されるのは出塁率だが、1番打者出塁率.274、2番打者出塁率.284はともにパ・リーグで最も低かった。
今宮、牧原の働きがカギ 柳田の上位起用もあり得る?
昨季のソフトバンクのチーム本塁打183本は、圧倒的な打力でペナントを制した西武の174本を上回ってリーグトップ。しかしチーム得点582は西武よりも174得点少ないリーグ4位。中軸の破壊力も、塁上に走者がいなければ最大限に活かせないということが読み取れる。得点力をアップさせるには上位に入る打者の出塁がカギとなるだろう。
昨季の1・2番は流動的な起用だったが、打席数が多かったのは1番では牧原大成、2番では今宮健太。それぞれ1番・2番出場時の成績は以下の通りで、やはり常勝軍団の上位打線としては物足りなくうつる。俊足巧打タイプの福田秀平が退団したため、今季もこの二遊間コンビが上位に座る可能性が高く、2人の働きが重要となる。
・牧原大成:1番出場時(251打席)
打率.227/出塁率.258/長打率.275/OPS.533/1本塁打
・今宮健太:2番出場(254打席)
打率.226/出塁率.281/長打率.357/OPS.638/8本塁打
今宮に関しては、3番出場時は打率.333/出塁率.387/長打率.480/OPS.868/3本塁打と好成績を残しており、近年はフルスイングが増え長打力も伸びてきている。今季、制約の多くなる2番という打順でも強打を発揮できるだろうか。
また、もうひとつ上位打線のパターンとして柳田の起用打順も気になるところだ。ここ2年は3番や4番での出場が多かった柳田だが、バレンティンの加入で中軸が充実した状況では、彼を1番か2番に回すことも十分にあり得る。そのあたりの工藤公康監督の采配も注目されそうだ。
2020年プロ野球・福岡ソフトバンクホークス記事まとめ