ドラ1森下が5年ぶりにカープの「18」背負う
12月に入り、続々と各球団で新入団選手達の発表会見が行われている。その場で未来のスター候補生たちが、真新しいユニフォームに袖を通す。
12月9日には広島が新入団選手の発表会見を行った。即戦力候補として期待されるドラフト1位の森下暢仁(明治大)は、背番号「18」のユニフォームを身にまとい「重みのある番号だと思います」とコメントした。
広島で18といえば「小さな大エース」と称された長谷川良平や佐々岡真司新監督、そして前田健太(現ドジャース)と名投手が背負ってきた番号だ。前田がメジャーへ移籍した2016年シーズン以降は空き番号になり、18にふさわしい投手の入団を心待ちにしていた。
さて、そんな背番号18は他の球団でもエース級の投手が着用するケースが目立つ。他の番号で実績を残してから背番号を変更することもあるが、ドラフト1位で入団すると同時に、この番号を背負うケースもある。それは入団時から将来のエース候補として期待されている証だろう。
だが、エース候補選手全員が華々しい結果を残すわけではない。2001年以降、ドラフト1位で入団し、背番号18を与えられた選手達の成績を振り返ってみたい。
ドラフト1位で背番号18は2001年以降で12人
なかでも圧倒的な成績を残しているのが、2006年高校生ドラフト1位で4球団競合の末に楽天へと入団した田中将大(現ヤンキース)である。
田中は高卒1年目から先発ローテーションに入り、11勝を挙げた。その後も大車輪の働きで、2013年には24勝0敗1セーブと圧巻の数字を残し、チームを創設以来初の日本一へ導いた。楽天時代の田中は、まさにエースと呼べる存在だった。
ちなみに田中と同じ2006年高校生ドラフトで広島1位指名の前田健太が与えられた背番号は34。1年目のオフに佐々岡の引退に伴って、背番号18を受け継いだ。
田中以外では、172試合に登板し64勝を挙げた新垣渚(当時ダイエー)と、2018年に最多勝を獲得した多和田真三郎(西武)が目立つ程度。多和田は翌2019年、わずか1勝に終わっており、継続して結果を残すことができなかった。
その他を見渡して見ても、これまでに確固たる成績を残したと言える選手はいない。ここ数年で入団した馬場皐輔(阪神)、寺島成輝(ヤクルト)、吉田輝星(日本ハム)については、今後の活躍に期待したいところだ。
巨人の背番号18はエースの系譜
各球団によって背番号の扱いはもちろん違う。巨人では、中尾碩志、藤田元司、堀内恒夫、桑田真澄、杉内俊哉、菅野智之とその時代のエース格が受け継いできた由緒正しき番号として扱っているほど。
一方で背番号18をエースナンバーとして掲げていない球団もあるが、重さは違えども決して軽い番号ではない。ドラフト1位の投手に与える番号としては、上から数えたほうが早いという重みがあるはずだ。
森下は、その重みに負けることなく結果を残せるだろうか。佐々岡、前田とエースが背負ってきた広島の「18」を、より一層輝かせるような投球に期待したい。