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DeNAは細川成也の躍進、東克樹の復活が優勝への鍵

2019 12/3 11:00勝田聡
横浜DeNAベイスターズの細川成也ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

本拠地で初めてのCS開催

2019年シーズンのDeNAは序盤に大型連敗を喫しながらも、徐々に借金を返済し最終的には2位でフィニッシュ。球団史上初めてクライマックスシリーズを本拠地で開催した。

野手陣では、ネフタリ・ソトが本塁打と打点の二冠王を獲得。本調子ではなかったものの、筒香嘉智も打率.272(464打数126安打)、29本塁打、79打点とまずまずの数字。

一方、序盤から調子が上がらず苦しんだ宮﨑敏郎は、シーズン半ばに左手有鉤骨を骨折し一時離脱。最終的には打率.284(433打数123安打)まで戻したものの、15本塁打、49打点と前年の28本塁打71打点からは大きく数字を落としてしまった。「宮崎の不振と離脱がなければ……」といった思いも少なからずある。

投手陣は今永昇太がエースらしい投球を見せ、13勝7敗、防御率2.91と結果を残した。しかし、濵口遥大、東克樹、平良拳太郎といった若手投手陣は故障による離脱もあり、投球回数がいずれも100回に満たずローテーションを守ることができなかった。

中継ぎ陣からはスペンサー・パットンが離脱したものの、山崎康晃、エドウィン・エスコバー、三嶋一輝、国吉佑樹らが踏ん張り、1年間を乗り切っている。

このオフには筒香がポスティングシステムを用いてMLB移籍を目指すため、外野の枠が一つ空く。大事なのは「その穴を誰が埋めるのか」だ。投手陣には、故障によって1年間投げきることが出来なかった選手の奮起が欲しい。

細川成也は筒香の後継者になれるか

筒香のMLB移籍による退団が濃厚な今、DeNAには外野の長距離砲が求められる。だが、日本の4番を務めた男の代わりがすぐに埋まるわけではないため、若手選手を育てていくことが前提となる。

その筆頭候補が、2016年ドラフト5位で明秀日立高校からDeNAに入団した細川成也だ。ルーキーイヤーのシーズン最終盤に一軍デビューし、デビュー戦から2試合連続本塁打を放ち大きな注目を浴びた。高卒3年目となった2019年シーズンは、自己最多となる36試合に出場し、打率.222(72打数16安打)、1本塁打、10打点と、結果を残せるまでには至っていない。

しかし、外野のポジションが空く2020年シーズンは細川にとって大きなチャンス。長打力を武器にして両翼でのポジション争いに割って入ることがレギュラー獲得の最低条件。ライバルはソトや神里和毅、梶谷隆幸、楠本泰史、乙坂智といった面々だろう。

2018年新人王・東克樹の復活に期待

投手陣では2018年の新人王である東の復活が求められる。2019年シーズンの東は開幕に間に合わず、一軍初登板は5月6日だった。その試合では3回8失点と大炎上。その後3連勝を飾ったものの、6月に入ると再び離脱。

再復帰した8月は2試合に登板し、まずまずの投球を見せたが、年間を通して役割を果たすことができなかった。DeNAはエースの今永をはじめ、濵口、石田健大、井納翔一、上茶谷大河といった先発投手陣候補が多くいるが、年間を通してローテーションを守り続けることは出来ず苦しんでいる。

まずは、ローテーションを守ることでチームに貢献したい東。結果的に最後の登板となった8月23日の巨人戦で、8回1失点、2奪三振(88球)だった。三振を奪わずとも、打たせて取る省エネスタイルで勝ち星を挙げている。シーズン通して、38.1回を投げ31奪三振は、極端に三振が少ないというわけでもない。現に5月30日の中日戦では7回1失点10奪三振で白星を挙げている。

2020年、DeNAはどのようなスタイルで勝ち星を積み上げていくのだろう。優勝を目指すためにも東の復活は欠かせない。

※数字は2019年シーズン終了時点