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新生ロッテ躍進のキーマン・中村奨吾、リーダーシップを含めた成長に期待

2019 11/23 06:00浜田哲男
千葉ロッテマリーンズの中村奨吾ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

さらなる飛躍が期待された今季は低迷

昨季は不動の3番打者として、全143試合とフルイニング出場。キャリアハイとなる打率.284で、リーグ2位の39盗塁をマーク。同年からコンバートされた二塁手としてゴールデングラブ賞に輝くなど、ブレイクを果たしたロッテの中村奨吾。

さらなる飛躍が期待された今季だったが、打率.232と低迷。本塁打こそ昨季の8本から17本に増加したが、盗塁は昨季の39個から12個に激減し、首脳陣やファンの期待には応えられなかった。それでも、開幕直後は好調を維持。4月20日までの18試合にフル出場し、打率.281、5本塁打、8盗塁と、各項目で昨季を上回る活躍を期待させてくれる内容だった。

そんな好調の歯車が狂ったのが、4月21日の予期せぬアクシデント。日本ハム戦を控えたZOZOマリンで練習中に清水将海バッテリーコーチと接触。顔面挫傷と診断され、左目下を10針縫った。以降、それまでの好調が影を潜め、4月の月間打率は.228、5月は.184とさらに落ち込んだ。

それでも3番で起用し続けた井口資仁監督。しかし、打撃の調子が一向に上がる気配がなかったため5月5日を最後に、以降は角中勝也や清田育宏らが3番を務め、中村は6番、または7番に入る試合が続いた。その後も試合には出続け、結果的に143試合に出場したものの最後まで前年のような勢いは見られなかった。

チームを勢いづける打撃を再び

中村の長所のひとつに挙げられるのが、積極的な打撃。昨季はカウント0-0の打率が.394とハイアベレージをマークし、不振にあえいだ今季でも同カウントの打率は.324だった。昨季は特に、初球を鮮やかにセンター前に運ぶシーンが多数みられた。

さらに昨季のイニング別打率は、初回が.344。初回に出塁した荻野貴司を中村があっさりと返し、序盤からチームを勢いづけるシーンが幾度となく見受けられた。その一方、今季の初回の打率は.197と低迷。昨季同様、打線に初回から火をつける役割はなかなか果たせなかった。

今季はリードオフマンの荻野がプロ入り初の規定打席に到達し、リーグ3位の打率.315をマーク。確かにチーム本塁打数は激増したが、打線をつなぎ再び足を生かした攻撃を展開するには、3番打者として同じく来季期待されるであろう中村が復調しなければ、得点力は上がらない。中村が機能するか否かが大きなポイントとなる。

落ちる球への対応は喫緊の課題

井口監督が日頃から掲げる「打者は強い打球を打ち、投手は強い球を投げる」という考えが浸透したのか、今季17本の本塁打(昨季は8本)を放っている中村。そのうち13本は直球を弾き返している。

しかし、昨季は対直球の打率が.299だったのに対し、今季の同球種の打率は.247に低下。その他の球種別打率をみても、昨季のカーブ打率が.395だったのに対して今季は.250、カットボールの昨季の打率は.367だったが今季は.256と軒並み低下している。中でも特に苦手としているのが落ちる球、対フォークの打率は好調だった昨季でも.152と低く(今季は.047)、対チェンジアップの打率は昨季が.089で今季は多少改善するも.233と苦手としている。

これは、昨季ブレイクしマークが厳しくなったことで、徹底して弱点を攻められた形だ。来季再び打率を上げていくためには、落ちる球への対応は喫緊の課題といえる。

リーダーシップを含めた成長に期待

今季は不振にあえぎながらも井口監督は中村を二塁で使い続け、結果として143試合に出場させた。打撃は低迷したが、二塁手の守備率はリーグ2位の.988と安定。来季こそ、打撃や走塁開眼のきっかけをつかんだ昨季と、シーズンを通じて苦しみながらも試合に出続けた今季の経験の両方を生かさなければならない。

11月18日、これまで類い希なキャプテンシーでチームを牽引してきた鈴木大地が、フリーエージェント(FA)で楽天に移籍することが発表された。そして、チームのレジェンド・福浦和也も今季で現役を引退する。

来年でプロ入り6年目を迎え、若手とベテランとの間のパイプ役に適した年齢(27歳)になる中村は、年齢的にも経験的にもチームを牽引していく立場になる。来季、新生ロッテが躍進できるかどうかには、リーダーシップも含めた中村のさらなる成長が大きな鍵を握っていると言っても過言ではない。

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