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細川、佐野、伊藤…DeNAに求められる長打力のある日本人野手の台頭

2019 11/25 06:00勝田聡
横浜DeNAベイスターズの細川成也ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

現時点で外国人6人体制に

DeNAが来シーズンへ向けて着々と準備を進めている。すでに先発候補のマイケル・ピープルズと主砲候補であるタイラー・オースティンと2人の外国人選手を獲得。11月18日にネフタリ・ソト、ホセ・ロペス、スペンサー・パットン、エドウィン・エスコバーの4外国人選手とも契約延長を発表した。

また、ポスティングシステムを用いてMLB移籍を目指している筒香嘉智が、MLB全30球団に契約可能選手として通知された。日本時間12月20日午前7時までに、譲渡金額を支払う意志のある球団と交渉が行われることになる。交渉が不調に終わればDeNAに残留することも考えられるが、その可能性は低い。

もちろんチームとしては筒香の退団で空く穴を埋めなければならない。その一環としてオースティンと契約、さらにはソト、ロペスとの契約更新がまとまったのは朗報だろう。しかし、現時点ですでに外国人選手は6人。4人の外国人枠を巡って、熾烈な競争が繰り広げられることになりそうだ。

期待される日本人野手の台頭

野手3人を同時に登録することは可能だが、そうすると投手では1人しか起用できない。日本代表でも守護神を務める山崎康晃は盤石なものの、エスコバーもしくはパットンを起用できないのは痛手。ピープルズは未知数とはいえ、先発投手陣も故障者が多く決して万全ではない。最初から「投手に2つの外国人枠を設ける」という考えを排除するには勇気がいる。

となれば、望ましいのは日本人野手の台頭。これまで大きな実績のない選手が2020年シーズンから、いきなり筒香のような活躍ができるわけではない。チャンスを与えながら、布石として育てていくことが求められる。

長打の期待できる細川成也、佐野恵太、伊藤裕季也

「ポスト筒香」に求められるのは、一発の長打力。それを持ち合わせている選手は、2020年シーズンで4年目を迎える細川成也と佐野恵太、そして2年目の伊藤裕季也だろう。

ルーキーイヤーの2017年にデビューしてから2試合連続本塁打を放ち、一躍脚光を浴びた細川は、その後も毎年のように注目されてはいるもの、一軍で実績を残すまでには至っていない。しかし、2019年シーズンは自己最多となる36試合に出場した。

近年、高卒4年目で開花したスラッガーの代表格に岡本和真(巨人)がいるが、3年目まで35試合の出場でわずか1本塁打。そうなると、徐々に一軍での出番は増えている細川が2020年シーズンにポジションを奪い取ることができれば、ブレイクする可能性も十分に考えられる。

細川とドラフト同期の佐野は、大卒ということもあって細川以上に結果が求められている。ここ2年、一軍では73試合、89試合と出場試合数は伸ばせているが、確固たるレギュラーは掴めていない。その原因のひとつは、対左投手への弱さだと思われる。右投手に対し、打率.302 (169打数51安打)、5本塁打。左投手相手には打率.258(31打数8安打)、0本塁打と、極端に悪いわけではないが、やや苦しんでいるようにも見える。

これを改善できれば、レギュラーにもぐっと近づくだろう。そして、一塁・左翼・右翼と3つのポジションで起用されていることは、他選手の動向に応じて起用法の幅が広がるため、プラス材料になる。

大卒2年目となる伊藤裕のポジションは二塁だが、1年目にして21試合(52打数)で15安打中、4二塁打、4本塁打と大器の片鱗を見せた。打席数に大きな違いがあるとはいえ、長打率.596はチームトップの数字。フル出場した際、同等の数字を残せるわけではないだろうが、チャンスを与えてみたくなる存在には違いない。

長打を期待できそうな若い選手が、筒香の穴を少しずつでも埋めることができれば、外国人選手の起用法の幅も広がり、なおかつ翌年以降への土台作りが可能になる。はたして2020年シーズン、長打を期待できる日本人野手の台頭はあるのだろうか。

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