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根尾と比べてどうだった?中日における高卒組たちの1年目

2019 11/20 06:00勝田聡
中日ドラゴンズの根尾昂ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

1年目に大きく苦しんだ根尾

中日の根尾昂が秋季キャンプで本来の遊撃ではなく、外野の守備練習をして話題になった。すぐにコンバートするのが前提ではなく、根尾自身はもちろん、チームとして引き出しを増やすことが目的だ。

そんな根尾だが、ルーキーイヤーの2019年シーズン、大きな実績は残せなかった。一軍での出場はわずか2試合。2打席連続三振と初安打はお預けになっている。

この成績は、高卒ルーキーで新人王となったチームの大先輩にあたる立浪和義氏に遠く及ばない。また、同期のドラフト1位を見ても小園海斗(広島)が後半戦では定位置を掴みシーズン58試合に出場。4本塁打を放ったのと比べても物足りなさが目立ってしまう。

しかし、慌てる必要はない。現在、中日の主力として活躍している野手の高卒プロ入り組を見ると、1年目から大きな実績を残した選手はほとんどいないのである。

高橋周平は1年目に2本塁打

現時点における中日の主力野手で高卒プロ入り組は4人。平田良介(2005年高校生ドラフト1巡目)、堂上直倫(2006年高校生1巡目)、福田永将(2006年高校生3巡目)、高橋周平(2011年1位)である。

福田は高校生ドラフト3巡目指名だが、他の3人はいずれもドラフト1位(1巡目)指名の選手たちばかり。金の卵としてアマチュア時代から注目を集めていた。しかし、1年目から一軍で多くの出番を与えられていたのは高橋ひとりだけしかいない。

高橋はルーキーイヤーとなる2012年シーズン、開幕から2ヶ月ほどが経過した6月17日にプロ初本塁打を放っている。これはドラフト制以降で史上最年少の本塁打として話題をさらった。また、中日の高卒新人の本塁打は1997年の森野将彦以来だった。

まさに期待通り、いや、期待以上の活躍をいきなり見せたのである。その後はプロの壁にぶち当たり、シーズンを通しては41試合の出場で打率.155、2本塁打に終わったが高卒ルーキーとしては文句ない成績だろう。

表1_主な選手の高卒1年目成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

福田永将、堂上直倫は1年目に一軍出場なし

一方で高橋以外の3選手はルーキーイヤーに一軍での出番はほとんどない。 平田は根尾と同じく1年目における一軍出場は2試合のみだった。福田と堂上に至っては、1試合の出場もできなかった。

福田と堂上の1年目にあたる2007年、中日は巨人とのデッドヒートを繰り広げ、2位でフィニッシュ。シーズンを通して緊迫した展開だったことも、終盤にお試しでの一軍起用ができなかったひとつの要因か。

福田は二軍での出場機会も少なかったが、これはポジションの影響が大きい。いまでこそ福田は一塁、三塁、そして左翼と内外野を守っているが、プロ入り時は捕手だった。そのため、二軍でも出番を与えられることは稀だった。

二軍での成績を見ると、平田は45試合で打率.267、3本塁打、堂上は62試合で打率.217、4本塁打となっている。2019年シーズンの根尾は108試合で打率.210、2本塁打だった。試合数が大きく違うため単純な比較はできないかもしれないが、平田も堂上も飛び抜けて好成績を残しているわけではなかった。

もちろん、1年目から一軍、あるいは二軍で実績を残せればそれに越したことはない。しかし、ドラフト1位入団とはいえ即戦力としての扱いではなく、1年目の成績が奮わなかったからといって悲観する必要はない。チームの先輩たちも1年目は苦しんでいた。根尾も同様に2年目以降の飛躍に期待したい。

※数字は2019年シーズン終了時点