上位候補は河野、立野、太田、宮川か
ドラフト会議まであとわずかに迫ってきた。
今年は奥川恭伸(星稜高)、佐々木朗希(大船渡高)、森下暢仁(明治大)の高校生・大学生投手がドラフト1位候補として大きく注目されている。そして、この3人に次ぐ候補となりそうなのが社会人投手たちだ。そんな社会人の投手さらには野手の注目選手をピックアップした。
1位指名の12人ないしは2位指名までの24人に入りそうなのは、やはり即戦力の投手が多い。なかでも河野竜生(JFE西日本)、立野和明(東海理化)、太田龍(JR東日本)、宮川哲(東芝)は、ほぼ確実に名前が呼ばれるはずだ。
特に河野、立野、太田の3人は、高卒3年目(21歳)と若さが魅力。近年、高卒社会人からドラフト1位を勝ち取った山岡泰輔(東京ガス→オリックス)、田嶋大樹(JR東日本→オリックス)、鈴木博志(ヤマハ→中日)らに続く存在となれるか注目だ。
同じく高卒3年目投手の浜屋将太(MHPS)の評価も上がっている。日本選手権の関東最終予選で中継ぎとして登板。6.1回を無失点に抑え、チームを本戦ヘと導いている。その他、中位・下位で名前を呼ばれそうなのが瀧中瞭太(Honda鈴鹿)と平岡航(伯和ビクトリーズ)の2人。特に、平岡は即戦力の中継ぎ左腕として期待できる。
野手はドラ1候補不在も片山や佐藤が注目株
野手に目を移すと、昨年の近本光司(大阪ガス→阪神)のような選手は不在だが、興味深い選手はいる。
片山勢三(パナソニック)は一塁というポジションがネックだが、長距離砲候補として指名する球団はありそうだ。巧打型の内野手としては諸見里匠(日本通運)に注目したい。国学院大学4年時には指名漏れも経験したが、その悔しさをバネに社会人野球で攻守に磨きをかけてきた。念願のプロ入りとなるか。
外野手では都市対抗野球で打率.429と好結果を残し、大会優秀選手にも選ばれた佐藤直樹(JR西日本)がいる。肩と足が優れており、中堅を守れるのが心強い。また、東洋大時代から注目されていた、プロ解禁2年目の笹川晃平(東京ガス)も候補の1人となるだろう。
捕手では、柘植世那(Honda鈴鹿)と牛島将太(JR九州)の2人。今年は大学生の捕手が豊作と言われているが、指名できなかった場合に備え、即戦力となりうる社会人の捕手を獲得する球団が現れてもおかしくないだろう。
独立リーグにも候補者は多数
ルートインBCリーグ(BC)や四国アイランドリーグplus(四国)といった、独立リーグにも候補者はいる。
BCには最速150キロを超える長谷川凌汰(新潟)と、1年ほどの投手歴ながら140キロ後半を記録しているサイドスローの松岡洸希(武蔵)に注目が集まっている。捕手では、セガサミー時代にU-23の侍ジャパン日本代表にも選ばれた喜多良太(石川)、捕手歴は4年と短いが、長打力が魅力の速水隆成(群馬)の2人が指名候補となる。外野手では走攻守揃った加藤壮太(武蔵)が注目を集める。高卒3年目とまだ若く、伸びしろもありそうだ。
四国では、明徳義塾高校時代から話題を集めていた岸潤一郎(徳島)と平間隼人(徳島)が、スピードを武器とし注目されている。
年齢が高いこともあり、一般的には敬遠されがちな社会人出身選手たち。しかし近年、高校卒業後は社会人野球を経て、21歳で「ドラフト解禁」となる選手も多くなった。はたして、今年はどれほどの社会人選手がNPBへ進むのだろうか。
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