巨人は吉川尚・坂本の新1・2番が機能 広島は野間が3番に
開幕から間もないこの時期は各チーム、必要なポストに様々な選手を試しつつ戦い、チームの形を整えようとしている。その中で新たな居場所で存在感を示し、勝利に貢献している選手がいる。例えば、打者ではこれまでとは違った打順で活躍するケースが目立つ。
開幕から3カードを消化した4月7日時点で、セ・リーグ打率トップ3に名を連ねるのは巨人・吉川尚輝と坂本勇人、広島・野間峻祥。いずれも、昨季までと任される打順が異なっている。
打率.455でリーグ首位打者に立つ吉川尚は、昨季は1番打者として1試合のみだったが、ここまで全試合に出場。広島との開幕戦で5打数3安打と絶好のスタートを切ると、9試合すべてで出塁し、3度の猛打賞を記録。ここまで5割の出塁率をマークしており、トップバッターの役割を十二分に果たしている。
吉川は昨季、2番でスタメンに入ることが多かった。1番と3番の強打者の間に入る「つなぎ」の打者としての役割が求められる中、355打席で打率.253、出塁率.304、13犠打の成績を残している。しかし今季は自らのバットでチャンスを生み出し、切り込み隊長として敵チームの脅威となっている。
吉川尚の後ろで2番を打つのが坂本だ。キャリアを通じて1番か3番がほとんどで、昨季も2番スタメンは1試合のみだが、経験が少ない中でも打率.419、出塁率.538とさすがの好打者ぶり。次の3番に丸佳浩が控える巨人上位打線の破壊力は群を抜いているといえるだろう。
セ・リーグ3位の打率.382を残す野間は、丸が退団して最大の課題となっていた「3番打者」に収まりつつある。巨人との開幕2試合は6番打者としてスタメンに名を連ねたが、2試合続けてマルチ安打を放つと、2試合で1安打だった西川龍馬に代わり、3戦目から3番に入った。この試合でもマルチ安打を記録し、以降も好調を維持して3番スタメンを続けている。
広島は西川を含め、バティスタ、松山竜平、安部友裕といった開幕前に3番候補と考えられていた選手たちのエンジンがまだかかっていない。チームも3カード連続負け越しとまさかの最下位スタート。その中で3番野間の打撃が巻き返しへの生命線となっていきそうだ。