開幕から6戦負け無しも連敗
昨シーズンはリーグ2位から日本一となったソフトバンクが、さすがのスタートダッシュを決めた。開幕戦で西武相手にサヨナラ勝ちを収めると、勢いに乗って開幕カード3連勝。続くオリックスとの3連戦では、2戦目に相手先発・山本由伸の前に9回を無得点に抑えられたが、踏ん張りを見せた投手陣によって延長12回、0対0の引き分け。このカードも2勝1分で乗り切った。
6試合連続で負けがなかったソフトバンクだが、3カード目のロッテ相手に連敗し、初のカード負け越しとなった。優勝経験豊富なメンバーも多く、工藤公康監督も今年で就任5シーズン目を迎えており、1年間を戦い抜く方法を熟知しているソフトバンクにおいて、この時期の連敗は慌てるような要素ではないだろう。
だが、そんなソフトバンクにおいても気になる点がある。それは外国人選手の状況だ。
デスパイネが不振、グラシアルは故障離脱

ⒸSPAIA
牧原大成、今宮健太、柳田悠岐と1番から3番が好調なソフトバンク打線において、主軸を務めるアルフレド・デスパイネが打率1割台と不振を極めている。現在、柳田の後ろで4番に固定されているなか、この数字は物足りない。4月7日のロッテ戦で今シーズン初本塁打を含む2安打を記録し、ここから波に乗っていけるか注目だ。
デスパイネの後を任されていたユリスベル・グラシアルは、7試合で打率.333、出塁率.414と結果を残していたが、4月6日に登録を抹消された。報道によると「脇腹の筋挫傷」だという。幸いにも軽度とのことで長期離脱となることはなさそうだが、好調だっただけに工藤監督にとっては痛手といえる。
さらに、最大の得点源であった柳田が故障により、4月8日に登録を抹消された。打撃陣にケガ人が続出しており、このままでは得点力が大きく落ちる可能性が高い。デスパイネが復調してこないようだと、今後の戦いが苦しいものとなる。
ミランダは制球力が悪化し試合を作れず

ⒸSPAIA
投手陣では、先発のアリエル・ミランダが2試合連続で結果を残せていない。初先発の試合では勝ち投手にはなったものの5回4失点、2試合目の登板では3回途中7失点と試合を作ることができていないのだ。
投球内容に目を向けると、2試合で7回2/3を投げ、与四球8個は明らかに多い。BB/9(1試合あたり、いくつの四球を与えるかを表す指標)は9.39で、1イニングに1個以上の四球を出す計算となる。これだけ四球が多いと、失点につながるリスクが高まるのはもちろん、球数もかさみ長いイニングを投げることは難しくなってしまう。
昨シーズンも47回2/3で27個、BB/9は5.10だったミランダ。この数字からも、決して制球力がある投手ではないことがわかるが、今年はその数字がさらに悪化している。今後も先発ローテーションの一角を担っていくためには、制球力の向上が必須といえる。
腰の不調で離脱しているリック・バンデンハークは、ファームを含め今のところ登板がない。また、長らく実戦から離れていた影響なのか、デニス・サファテも本来の調子には戻っておらず、両投手とも一軍合流のメドが立っていない。
今シーズンから先発へ配置転換されたロベルト・スアレスは、ファームで先発調整中。ミランダの不調もあり、そろそろ一軍での登板機会が訪れてもおかしくない状況だ。
現在一軍では、中継ぎで結果を残しているリバン・モイネロ以外の外国人選手が戦力となれていない。今シーズン所属している外国人7選手は全て昨季からの残留組である。そのため開幕前は、外国人枠の中でどのように起用していくかが話題となっていたのだが、いざフタを開けてみると厳しい状況となってしまった。
もちろん、開幕してからまだ10試合しか消化しておらず、心配するような時期ではないのかもしれないが、3年連続日本一を目指すには外国人選手の力は欠かせない。ファンにとっては、いつ調子を上げてきてくれるのか気になるところだろう。
※数字は2019年4月7日終了時点