「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

DeNA・筒香の21二塁打は12球場最多 横浜スタジアムは名実ともに打者有利な球場

2019 3/13 07:00SPAIA編集部
横浜スタジアム,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

本拠地12球場の中で最狭となる「ハマスタ」

横浜DeNAベイスターズの本拠地である横浜スタジアムは1978年4月に開場した。現在、12球団の本拠地として使用されている球場としては阪神甲子園球場(1924年8月)、明治神宮野球場(1926年10月)、楽天生命パーク(1950年5月)に次いで4番目に古い球場だ。

開場当時からDeNAの前身である横浜大洋ホエールズが本拠地として使用してきた。以後、球団の親会社は変わりながらも本拠地として使用され続けており、ファンからは「ハマスタ」の愛称で親しまれている。

横浜スタジアム

※PFはパークファクターの略で、相対的な「本塁打の出やすさ」や「得点の入りやすさ」を球場ごとに比較することができる指標。

親会社がDeNAとなった2012年以降、トイレの改修であったり、座席の色(オレンジから青)を変更したりと手が加えられている。2019年シーズンからは右翼スタンド後方に「ウイング席」を新設。2020年の東京オリンピックでは野球以外に、ソフトボールの会場となることから今後も改修は続いていく予定だ。

2018年シーズン終了までに2497試合の公式戦が行われており、通算本塁打数は4852本。1試合平均では1.94本となっており、現在本拠地として使用されている球場の中では4番目に高い数値だ。

中堅までの距離118メートルは阪神甲子園球場と並び、右翼・左翼への距離94メートルは最も短い距離となっている。この数値からサイズ的に小さい球場ということがわかる。

1試合あたりの本塁打はセ・リーグNo1

2018年シーズンの数値を見ると、71試合で182本の本塁打が飛び出した。1試合あたり2.56本となり、本拠地12球場で見るとメットライフドーム、ヤフオク!ドームの2.68本(177本/66試合)についで第3位の数字となる。セ・リーグでは、明治神宮野球場や東京ドームよりも1試合あたりの本塁打数が多い計算となる。

横浜スタジアム

ⒸSPAIA


本塁打パークファクター(1.25)、得点パークファクター(1.12)はともに、明治神宮野球場(本塁打:1.76、得点:1.33)に次いでリーグ2位の数字となっている。DeNAは横浜スタジアムで293得点を挙げているが、344失点と失点のほうが「51」多い。得点が入りやすいということは、失点しやすいということでもある。それを如実に表しているのがマイナス51という得失点差だろう。

また、二塁打(250本)は12球場で最多となっているが、三塁打(12本)は東京ドーム(11本)に続いて少ない。球場が狭いため、三塁打が出にくい球場といえる。

ソト、筒香、宮﨑といった役者がそれぞれのトップ数値

2018年シーズンにおける個人の数字にスポットを当ててみると、最多安打は宮﨑敏郎(83本)だった。チーム内首位打者ということもあり、妥当なところだろう。二塁打は筒香嘉智が21本でトップとなっており、全12球場の中でも唯一の20本超えだった。

本塁打は、昨シーズンの本塁打王でもあるネフタリ・ソトが20本でトップ。全41本塁打の約半数を横浜スタジアムで叩き出したことになる。

横浜スタジアム

ⒸSPAIA


ビジターの選手による数値を見ると、本塁打では丸佳浩(広島/6本)、二塁打では菊池涼介(広島/7本)が最多。対戦成績でも4勝8敗とDeNAは横浜スタジアムで広島に負け越しており、菊池と丸に打たれたことがひとつの要因と言えそうだ。

このように横浜スタジアムは本塁打が出やすく、得点が入りやすい球場ということがよくわかる。それは相手チームにとっても同様だ。野手陣は好結果が期待でき、投手陣にとっては苦しい球場ということになる。

現在、筒香や宮﨑、ソトといった打撃に優れた選手を比較的多く揃え、打者有利の球場を本拠地としているDeNA 。これからも打撃優先でチーム作りをしていくのだろうか。本拠地球場とチーム作りを合わせて見ると、野球の楽しみ方が広がっていく。

※数字はすべて2018年シーズン終了時点

(本文:勝田聡)


【関連記事】
「松坂効果」で大盛況のナゴヤドーム 昨季はセで最も本塁打が出にくい球場に