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多和田、今井、松本航……今季の西武はドラ1ローテ?

2019 3/5 07:00勝田聡
今井達也,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

交流試合で3投手のドラ1リレー

今年の西武は先発ローテーションがドラフト1位「だけ」となるかもしれない。それだけ、ここ数年のドラ1たちが充実している。

2月26日に行われた『球春みやざきベースボールゲームズ』の斗山(韓国)戦。先発のマウンドに登ったのは、2015年のドラ1である多和田真三郎だった。昨シーズンのパ・リーグ最多勝投手でもあり、すでに今シーズンの開幕投手も内定しており、エース格の存在だ。任された3回を無失点で切り抜け、順調に調整が進んでいることを印象づけた。

多和田の後を受け2番手として起用されたのが、2016年ドラ1の今井達也である。ソロ本塁打を浴びたが、3回をその1点に抑えている。

そして最後に登板したのが2018年ドラ1の松本航だ。松本航も最終回に1点を失ったものの、6奪三振を記録しており、能力の高さを改めて見せつけた。開幕から先発ローテーション入りも期待できる投球内容だったと言っていい。

榎田大樹、内海哲也 移籍組もドラ1

3人の他にも、移籍組を含んだドラ1たちがずらりと並んでいるのが西武の先発候補。榎田大樹は2010年のドラフト1位で東京ガスから阪神へと入団。初年度から中継ぎとして62試合に登板し、防御率2.27。その翌年も48試合に登板で防御率2.34の成績を残している。

しかし、その後は目立った成績をあげることなく、トレードにより昨シーズンから西武へと移籍した。西武では中継ぎではなく先発として起用され、キャリアハイとなる11勝(4敗)をマーク。規定投球回には届かなかったものの、左腕エースとしてチームを引っ張った。今季も同様の活躍を期待されていたが、キャンプ終盤で左肩の張りを訴え、戦線離脱となってしまった。重症ではないと報道されているが、開幕に間に合うがどうかは微妙な状況となっている。

移籍組では内海哲也もそうだ。炭谷銀仁朗(西武→巨人)のFA移籍に伴い、西武へとやってきた内海は2004年ドラフト自由枠で巨人入りを果たしている。自由枠ということもあり純粋なドラ1とは少し違うが、最上位の評価であったことは間違いない。

通算133勝を誇るベテランだけに若い西武の投手陣の中では、圧倒的な経験値を誇ることは間違いない。先発ローテーションの一角としての働きはもちろん、投手陣のまとめ役としての役割も期待される。

復活を目指す高橋光成と十亀剣

移籍組以外では、今季から背番号が「13」となった2014年のドラ1・高橋光成も先発候補だ。ルーキーイヤーに鮮烈なデビューを飾ったが、それ以降は成績が伸び悩んでおり、昨季は3試合の登板にとどまった。

同じ甲子園優勝投手でもある今井が活躍していることもあり、高橋光も負けてはいられない。2月20日に行われた統一戦(台湾)との交流試合では3回1失点とまずまずの投球。先発ローテーション入りへアピールを行っている。

2011年ドラ1の十亀剣は2015年に11勝をあげて以降、規定投球回にも届いていない。昨季は22試合で5勝8敗、防御率4.42(124.1回)と優勝したチームの中で3つの負け越しとなってしまった。

今春のキャンプも二軍に相当するB班スタート。2月20日の統一戦では7回から登板2回1失点と、まだまだ本調子とはいいがたい。だが、開幕まではまだ時間がある。オープン戦で調子を上げ、開幕ローテーションへ割って入りたいところだ。

このように、西武のローテーション候補は「ドラ1」たちで溢れている。アマチュア時代に実績を残してきた投手たちが、プロの世界でもチームを引っ張っていければ、リーグ連覇も見えてくる。

伊藤翔(2017年3位)や外国人投手のザック・ニールなど、ドラ1ではない先発ローテーション候補ももちろん存在する。辻発彦監督は、はたしてどのようなローテーションを考えているのだろうか。

【近年のドラフト1位】
2018年:松本航(投手)
2017年:齊藤大将(投手)
2016年:今井達也(投手)
2015年:多和田真三郎(投手)
2014年:高橋光成(投手)
2013年:森友哉(捕手)
2012年:増田達至(投手)
2011年:十亀剣(投手)
2010年:大石達也(投手)
2009年:菊池雄星(投手)※現・マリナーズ