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ロッテ安田、日本ハム淺間が存在感放つ レアードの移籍で巻き起こる三塁争い

2019 3/6 11:01勝田聡
安田尚憲,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

大型補強の裏でレアードが退団

このオフに大きな動きがあった日本ハム。台湾からポスティング制度を利用して王柏融(わん・ぼーろん)を獲得し、オリックスを自由契約となった金子弌大と契約。そして、トレードでヤクルトから秋吉亮と谷内亮太を補強した。

ドラフトでは吉田輝星(1位)、野村佑希(2位)、万波中正(4位)、柿木蓮(5位)といった甲子園を沸かせたスターたちを指名。王以外の外国人選手の獲得にもぬかりなく、ジョニー・バーベイト、ジャスティン・ハンコックといった2投手を補強し、ニック・マルティネスとも再契約を締結している。昨シーズンは惜しくも3位に終わったが、「さらに上を目指す」という意気込みが感じられる動きだ。

その一方で、主軸選手であるブランドン・レアードの流出もあった。2015年の来日から4年間で131本塁打を放ったスラッガーで、本塁打後にはお決まりの「寿司ポーズ」を披露するなどファンからも人気のあった選手だ。契約延長の交渉を進めてはいたが、最終的に折り合わず退団。今シーズンからはロッテでプレーすることになった。

高卒5年目の淺間大基が名乗り

レアードが抜けた日本ハムでは、三塁のポジション争いが勃発。ここ4年はほぼレアードが守っていたため、豊富な経験を誇る選手が一軍には不在だ。そのため、多くの選手が「三塁候補」として練習を行っている。主砲の中田翔や外野の大田泰示、近藤健介といったチームの中心選手ですら三塁の守備練習に励んでいる。また移籍してきた谷内も三塁を守ることができ、虎視眈々とレギュラーの座を狙っている。

そんな中、レギュラー候補に躍り出たのが淺間大基だ。2014年ドラフト3位で横浜高校から日本ハムへと入団。ルーキーイヤーには、デビューから4戦連続安打を記録する絶好のスタートを切る。初年度は46試合で打率.285(130打数37安打)の成績を残し、次世代の外野として大きな期待を背負っていた。しかし、その後は故障もあり目立った成績を残すことができず苦しんでいる。

そして、迎えた5年目の今シーズン。外野ではなく三塁でレギュラーを掴む寸前まできている。2月26日に行われたヤクルトとの練習試合で「1番・三塁」で先発出場を果たすと、先頭打者本塁打を含む2安打1打点と結果を残し、アピールに成功。開幕一軍だけでなく、レギュラーも見えてきた。そんな活躍ぶりである。

安田尚憲と鈴木大地の争いにレアードが参戦

三塁の争いは、レアードの移籍先であるロッテでも勃発している。

昨シーズン、ロッテの三塁はチームリーダーでもある鈴木大地が守っていた。鈴木はプロ入り後に遊撃、二塁、そして三塁と様々なポジションを経験しているが、簡単に譲るつもりはないだろう。

2013年にレギュラーを獲得しポジションは変わりつつも、ここまでほぼ全試合に出場してきた中心的存在でもある。年齢も29歳と脂の乗っている時期ということもあり、簡単に明け渡すわけにはいかない。とはいうものの決定権は監督にあり、練習試合では二塁のポジションに就く等、「試合に出ることが一番」と献身的な姿勢も見せている。

また、2017年ドラフト1位の安田尚憲も三塁のレギュラー候補。昨年のシーズン終了後はU-23ワールドカップやアジア・ウインターリーグに参戦し、野球漬けの日々を送ってきた。今春のキャンプでも一軍に帯同し、実戦でも結果を残しつつある。井口資仁監督としては未来の大砲候補にチャンスをあげたい思いもあるだろう。指名打者との併用という手もあるが、そこには新外国人の大砲候補ケニス・バルガスがおり、どちらにせよポジション争いはさけられない状況だ。

チームの中心である鈴木、未来の大砲候補である安田、そしてレアードと誰を三塁に起用するか井口監督の決断に注目したいところだ。

レアードが抜けた日本ハムと移籍先であるロッテ、ともに三塁の争いが巻き起こっている。開幕スタメンの座を勝ち取るのは誰になるのだろうか。