最多安打のタイトルを獲得
2018年、野球界に大きな記録を打ち立てた選手がいる。埼玉西武ライオンズの1番打者、秋山翔吾だ。最多安打のタイトルを獲得し、優勝に大きく貢献した。今回は、秋山翔吾のデータを読み取っていく。

200本にも迫る秋山の安打数は、2位で首位打者獲得の柳田悠岐よりも約30本多く、抜きん出た数字といえる。なぜ、秋山はここまで数年に渡って安打を放ち続けられるのだろうか。

表を見ると秋山の苦手コースは外角低め。それでも.242と他選手と比べ優秀なので、苦手ゾーンイコール打てないという訳ではない。因みに.250以下はこの1つだけで、あとは.260以上となっている。ここまで満遍なく打てる打者との対戦は投手には大きな重圧だろう。
変化球への対応力は大きな武器
対変化球は.326と非常に高い対応力を見せ、表中の選手の中で唯一、100本以上の安打を放っている。

さらに、昨今普及してきているカットボールに関しては.543(35打数19安打)と驚異的な数字を残しており、多くの投手が得意とするスライダーに関しても.308(104打数32安打)と好成績。現代の野球の流れにしっかりと対応しているのだ。
いかに変化球に対応するかが一つのカギになっている現代野球で、秋山の対応力は成績を残すための大きな武器になる。
秋山の対応力の高さを示す数字は他にもある。

ボールをしっかりとひきつけ、強く打つ技術がなければ流し打ちはできない。さらに、ファールゾーンではなくフェアゾーンに打ち込むミート力がないとこれだけの打率は残せない。強く打つという観点でもレフト方向へ9本のホームランを放っており、これは柳田に続く数字だ。(柳田は12本)
よく、センターから逆方向へのバッティングは打撃の基本と言われている。だが、引っ張ったほうが打球のスピードは上がりやすいので、引っ張り方向への打撃成績が良い選手の方が多い。その中で、高度な技術を必要とする逆方向へのバッティングでこれだけの数字を残していることは、秋山の対応力の高さを示していると言える。
10年ぶりにリーグ優勝を果たした埼玉西武ライオンズ、21年ぶりの連覇へリードオフマン秋山の活躍は必須だ。