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西川?塩見?丸? 2019年各チームのキーマンはだれだ?<セ・リーグ編>

2019 1/10 07:00勝田聡
丸佳浩,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

Aクラスの3チームは野手のキーマン

2018年のセ・リーグは広島がチーム史上初の3連覇を飾った。その他の5球団は「ストップ・ザ・広島」を誓ってこのオフに入ったことだろう。なかでも積極的に動いたのは巨人だった。広島からFAした丸佳浩を獲得するなどの大型補強を行っている。その他のチームも巨人ほどではないにしろ、補強を進めている。また、ウインターリーグなどで大きな飛躍を遂げた若手もいる。2019年シーズンへの楽しみは尽きないが、ここでキーマンとなりそうな選手を探ってみた。

・広島:西川龍馬(内野手)

広島は丸が巨人へ移籍し、外野の構成が大きく変わりそうだ。昨シーズンの起用法を見ると、鈴木誠也の右翼は確定だろうが、中堅は野間峻祥や下水流昂、高橋大樹らで争い、左翼は松山竜平、サビエル・バティスタらが濃厚となる。その争いに加わりそうなのが西川龍馬だ。三塁での起用がメインの西川だが、秋のキャンプでは外野に挑戦している。打率.309と打撃には定評がある西川が外野で固定できれば、丸の穴を最小限に食い止めることができそうだ。

<2018年成績>
107試合/打率.309/6本塁打/46打点

・ヤクルト:塩見泰隆(外野手)

2017年シーズンの最下位から2位に躍進したヤクルトは若手の有望株が誕生した。2017年ドラフト1位の村上宗隆と同4位の塩見泰隆だ。村上は初打席初本塁打を放ったインパクト、清宮幸太郎(日本ハム)、安田尚憲(ロッテ)らと比較されることもあり注目度は高い。しかし、2019年シーズンのキーマンとなりそうなのは塩見の方だ。アジアウインターリーグで打率.392、4本塁打と好成績を残し、外野のレギュラー候補に躍り出た。外野陣は雄平、青木宣親、ウラディミール・バレンティンそして坂口智隆と全員が30代半ばを超えており若手が不在。「世代交代」を進めるためにも大きな期待がかかる。

<2018年成績>
16試合/打率.040/0本塁打/0打点

・巨人:丸佳浩(外野手)

巨人のキーマンはやはりこの男だろう。広島からやってきた丸佳浩だ。巨人は坂本勇人、岡本和真、ケーシー・マギー(退団)と主力が右打者に偏っており、左打者は手薄だった。また、長野久義、亀井善行、陽岱鋼ら外野陣も高齢化が進んでおり、世代交代が懸念されていた。ネックであった「左打者」、「中堅から若手の外野手」という穴を同時に埋める丸に期待がかかるのは当然だ。2年連続MVPの力を東京ドームでも発揮することで原辰徳監督の胴上げを目指す。

<2018年成績>
125試合/打率.306/39本塁打/97打点

Bクラス3チームはいずれも投手がキーマンに!

・DeNA:今永昇太(投手)

DeNAは2017年に3位からクライマックスシリーズを勝ち抜き日本シリーズに出場したが、2018年は4位と悔しい結果に終わってしまった。2019年は雪辱を果たすシーズンとなる。なかでも鍵となりそうなのは今永昇太だ。2018年は先発ローテーションを守り、2桁勝利を期待されたが4勝11敗と結果がついてこなかった。だが、このオフにオーストラリアのウインターリーグに参戦。1月7日の時点で6試合に登板し4勝0敗、防御率0.43と圧巻の投球。35回で57奪三振と三振も多く奪っており、復活の兆しが見えた。今永の復活はチームにとってこの上なく大きいはず。復「肩」に期待したい。

<2018年成績>
23試合/4勝11敗/84.2回/奪三振80/与四球38/防御率6.80

・中日:笠原祥太郎(投手)

6年連続Bクラスと低迷している中日だが、楽しみな投手が出現した。日米野球の日本代表にも選出された笠原祥太郎だ。その日米野球では6戦目に先発し、5回途中無失点と堂々の投球を見せた。大卒3年目となる2019年シーズンは、ローテーション投手として1年間を通し投げきることが求められる。150キロを超えるようなストレートがあるわけではないが、武器はチェンジアップ。緩急で2019年も相手打者を幻惑する。

<2018年成績>
20試合/6勝4敗/108.2回/奪三振88/与四球49/防御率4.14

・阪神:藤浪晋太郎(投手)

17年ぶりに単独最下位となった阪神は金本知憲監督から矢野燿大監督へとバトンタッチした。首脳陣も二軍スタッフからの昇格が多く、「チーム矢野」で戦うことになる。そのなかで期待したいのが悩めるエース候補の藤浪晋太郎だ。2015年に14勝をマークしてから成績は下降。2018年も5勝3敗、防御率5.32と苦しんだ。しかし二軍では12試合で4勝1敗、防御率1.14と格の違いを見せつけている。その二軍を率いていた矢野監督が一軍の監督となる2019年。藤浪の復活でチームを上位に導きたい。

<2018年成績>
13試合/5勝3敗/71回/奪三振70/与四球47/防御率5.32