Aクラスの3チームは野手のキーマン
2018年のセ・リーグは広島がチーム史上初の3連覇を飾った。その他の5球団は「ストップ・ザ・広島」を誓ってこのオフに入ったことだろう。なかでも積極的に動いたのは巨人だった。広島からFAした丸佳浩を獲得するなどの大型補強を行っている。その他のチームも巨人ほどではないにしろ、補強を進めている。また、ウインターリーグなどで大きな飛躍を遂げた若手もいる。2019年シーズンへの楽しみは尽きないが、ここでキーマンとなりそうな選手を探ってみた。
・広島:西川龍馬(内野手)
広島は丸が巨人へ移籍し、外野の構成が大きく変わりそうだ。昨シーズンの起用法を見ると、鈴木誠也の右翼は確定だろうが、中堅は野間峻祥や下水流昂、高橋大樹らで争い、左翼は松山竜平、サビエル・バティスタらが濃厚となる。その争いに加わりそうなのが西川龍馬だ。三塁での起用がメインの西川だが、秋のキャンプでは外野に挑戦している。打率.309と打撃には定評がある西川が外野で固定できれば、丸の穴を最小限に食い止めることができそうだ。
<2018年成績>
107試合/打率.309/6本塁打/46打点
・ヤクルト:塩見泰隆(外野手)
2017年シーズンの最下位から2位に躍進したヤクルトは若手の有望株が誕生した。2017年ドラフト1位の村上宗隆と同4位の塩見泰隆だ。村上は初打席初本塁打を放ったインパクト、清宮幸太郎(日本ハム)、安田尚憲(ロッテ)らと比較されることもあり注目度は高い。しかし、2019年シーズンのキーマンとなりそうなのは塩見の方だ。アジアウインターリーグで打率.392、4本塁打と好成績を残し、外野のレギュラー候補に躍り出た。外野陣は雄平、青木宣親、ウラディミール・バレンティンそして坂口智隆と全員が30代半ばを超えており若手が不在。「世代交代」を進めるためにも大きな期待がかかる。
<2018年成績>
16試合/打率.040/0本塁打/0打点
・巨人:丸佳浩(外野手)
巨人のキーマンはやはりこの男だろう。広島からやってきた丸佳浩だ。巨人は坂本勇人、岡本和真、ケーシー・マギー(退団)と主力が右打者に偏っており、左打者は手薄だった。また、長野久義、亀井善行、陽岱鋼ら外野陣も高齢化が進んでおり、世代交代が懸念されていた。ネックであった「左打者」、「中堅から若手の外野手」という穴を同時に埋める丸に期待がかかるのは当然だ。2年連続MVPの力を東京ドームでも発揮することで原辰徳監督の胴上げを目指す。
<2018年成績>
125試合/打率.306/39本塁打/97打点