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セ・パともに来シーズンは混戦模様? 優勝を逃したチームが大型補強

2018 12/22 07:00勝田聡
原辰徳,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

楽天、日本ハムが次々に補強

これまでの補強状況を見ると、今シーズンの優勝争いに絡むことができなかったチームの動きが目立つ。梨田昌孝監督がシーズン途中に辞任し、平石洋介監督となった楽天がいい例だ。石井一久氏をゼネラルマネージャー(GM)に招聘し、大幅な戦力の刷新を行った。

元盗塁王の聖澤諒や代打の切り札でもあった枡田慎太郎らに戦力外を通告。その後、FAとなった浅村、新外国人選手としてアラン・ブセニッツ投手、ジャバリ・ブラッシュ外野手を獲得し、戦力強化を行っている。今年亡くなった星野仙一氏が阪神の監督時代に行った「血の入れ替え」を彷彿とさせる動きだった。

パ・リーグ3位の日本ハムも大型補強を進めてきた。台湾の「大王」こと王柏融を獲得すると、オリックスを自由契約となった金子弌大もチームに加わった。また、日本代表経験もある中継ぎ投手の秋吉亮、内野ユーティリティーの谷内亮太を獲得している。

最下位の楽天、3位の日本ハムが補強を進めているのとは対象的に、優勝した西武、そして2位から日本一に駆け上がったソフトバンクに大きな上積みがない。このままシーズンを迎えれば、パ・リーグは混戦模様となりそうだ。

原新監督のもとで巨人は大型補強を敢行

一方のセ・リーグは巨人と阪神が大型補強を進めている。今シーズン3位となった巨人は高橋由伸監督から原辰徳監督へとスイッチ。2014年以来5年ぶりの優勝へ向け、オフシーズンからエンジン全開だ。

西武からFA宣言した炭谷銀仁朗、オリックスから自由契約となった中島宏之、そして新外国人選手としてクリスチャン・ビヤヌエバを次々と補強した。

そして、今オフ最大の目玉であった丸佳浩をロッテ、広島との争奪戦の末に獲得。左の強打者不足、外野の高齢化というふたつのウイークポイントを打ち消すことができたのは大きい。また、リーグ優勝した広島の戦力を削ぐという部分でも丸の獲得は意味のある補強となった。

それだけにとどまらない。マリナーズを退団した岩隈久志もチームに迎え入れ、先発も補強したのだ。岩隈は故障明けということもあり、これまで通りの投球ができるかはわからないが、日米通算170勝の実績、そして経験は若手投手たちに大きな影響を与えるだろう。

さらに抑え候補として新外国人選手を調査中との報道もあり、「王座奪回」へ向けた並々ならぬ思いが伝わってくる。

阪神は先発ローテーションが充実

そして阪神だ。今シーズンは目玉だったウィリン・ロサリオが不発となり、チームは低迷。17年ぶりとなる単独最下位に沈んでしまう。その結果を受け、金本知憲監督から矢野燿大監督へとバトンタッチした。

最下位脱出に向け、矢野阪神が行ったのは投手陣の整備だ。FAの西をオリックスから補強すると、今シーズン、中日で13勝をマークしたオネルキ・ガルシアの獲得も発表。

今シーズン、ランディ・メッセンジャー頼みであった柱が3本となり、一気に先発ローテーションが整った。中継ぎではピアース・ジョンソンを獲得し、ラファエル・ドリスと再契約。

今シーズンまでであれば、メッセンジャー、ガルシア、ジョンソン、ドリスからひとり外さなければいけなかったが、メッセンジャーが日本人選手扱いとなったため、来シーズンからは全員を同時に起用できる。これは他球団にとって大きな脅威となりそうだ。

現時点で課題であった長打力不足に対する補強はできていないが、リーグ屈指の投手陣で最下位脱出を狙う。

セ・リーグは広島から丸が抜け、ヤクルトは大きな補強を行っていない。一方で3位の巨人、最下位の阪神が大きな上積みを行った。来シーズンはパ・リーグと同様に混戦模様となりそうな気配が漂っている。

はたして、補強した戦力は評判通りの活躍ができるのだろうか。来シーズンの開幕が待ち遠しい。