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広島は3連覇も未だ若手が主体…野手・投手の年齢別成績を分析

2018 12/17 07:00SPAIA編集部
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20代選手を中心に3連覇を成し遂げた広島の年齢別成績

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球団史上初の3連覇を達成した広島。24歳で主砲を務める鈴木誠也をはじめ、この3年間は20代の若手選手が中心となってチームを引っ張ってきたが、現在の年齢構成はどうなっているだろうか。

近年のプロ野球選手の平均引退年齢は29歳前後となっている。若手・中堅・ベテランをどこで区切るかはスポーツによって異なってくるが、プロ野球の場合は29歳がひとつの分岐点といえそうだ。

そこで、29歳未満・以降を大きなくくりで「若手」と「ベテラン」に分けて考えてみる。さらにそれぞれを2つに区切って「23歳以下」「24歳~28歳」「29歳~33歳」「34歳以上」と4つの年齢層に区分(2018年シーズン一軍出場があった選手)。単純な出場機会だけでなく、各年齢層がどのくらいチーム成績に寄与していたのかインフォグラフィックで可視化してみた。

野手は24歳から33歳までに戦力集中

<主な野手一覧>
■「23歳以下」
坂倉 将吾(20)
曽根 海成(23)

■「24歳~28歳」
西川 龍馬(24)
鈴木 誠也(24)
野間 峻祥(25)
バティスタ(26)
菊池 涼介(28)

■「29歳~33歳」
田中 広輔(29)
安部 友裕(29)
丸 佳浩(29)
會澤 翼(30)
松山 竜平(33)

■「34歳以上」
エルドレッド(38)
石原 慶幸(39)
新井 貴浩(41)

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リーグトップの721得点、95盗塁を記録し、機動力を絡めた猛打でセ・リーグ他球団を圧倒した広島野手陣。核となっているのは「24歳~28歳」と「29歳~33歳」の層だ。打席数は合計で全体の94%を占める形になった。

20代半ばから中堅クラスまでの出場機会が大半になるのは、一見当たり前のようにも思える。しかし「24歳~28歳」と「29歳~33歳」の合計打席数が70%程度にとどまっている球団も多く、巨人、ヤクルトは50%未満だった。広島は身体能力・技術の両面を充実させやすい年齢層に主力が集中する形となっている。

「29歳~33歳」は丸佳浩、會澤翼、田中広輔ら野村謙二郎監督時代(2010~14年)に芽を出した世代。早生まれの菊池涼介も2019年シーズン開幕時は29歳となる。「24歳~28歳」は鈴木誠也、野間峻祥、カープアカデミー出身のバティスタら緒方孝市監督が就任した2015年以降に出てきた世代だ。短いスパンで生え抜きから次々と優秀な若手が登場して常勝軍団が出来上がった。

ただ、「23歳以下」の一軍出場は20歳の坂倉将吾、7月の交換トレードで加入した23歳の曽根海成のみ。この年齢層の出場機会は人数・打席数ともにゼロの中日と並んで12球団で極端に少なかった。

攻守の柱だった丸は2019年シーズンから巨人へ移る。FA選手の獲得がこれまで1度もない広島は次の世代も生え抜きを育成していくしかない。2017年ドラフト1位の中村奨成や、来年からドラフト1位で入ってくる小園海斗など、下の世代の台頭も2019年は期待したいところだ。

好バランスの投手「24歳~28歳」には大きな伸びしろ

<主な投手一覧>
■「23歳以下」
アドゥワ誠(19)
高橋昂也(20)
中村祐太(23)

■「24歳~28歳」
フランスア(25)
岡田明丈(25)
薮田和樹(26)
中﨑翔太(26)
一岡竜司(27)
今村猛(27)
大瀬良大地(27)
九里亜蓮(27)
中田廉(28)

■「29歳~33歳」
野村祐輔(29)
ヘルウェグ(30)

■「34歳以上」
ジョンソン(34)
永川勝浩(38)

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野手陣が圧倒的な攻撃力を誇った一方、防御率がリーグ3位とはいえ4点台に達してしまった投手陣。連覇の3年間で防御率は3.20・3.39・4.12とこの1年で急激に悪化している。

2019年シーズンは立て直しが不可欠だが、年齢構成は28歳までが全体の63%と野手陣より一段階若い。特に「24歳~28歳」が57%の投球回数を占める。2018年シーズン最多勝の大瀬良大地をはじめ、九里亜蓮、岡田明丈、薮田和樹と先発要員が多く属している年齢層だ。

ここが投手力の中心であり、また伸びしろも大きい年齢層といえる。2017年シーズン2桁勝利の岡田と薮田は2018年シーズン力を発揮できず。2018年シーズン8勝の九里も先発で2桁勝てるポテンシャルはあるだろう。

「23歳以下」は高卒2年目のアドゥワ誠が53登板を果たす大躍進で貴重な戦力となった。一軍マウンドに上がった6名は他球団と比べて多い部類に入る。「29歳~33歳」は野村祐輔、「34歳以上」はジョンソンと、先発ローテーションの柱となる投手がいる。

投手として最も脂の乗った時期にある「24歳~28歳」が核となり、枚数は多くないものの中堅・ベテラン勢も勝利に貢献。その中で23歳以下の若手にも登板機会が回り、二軍メンバーのモチベーションにつながる。「24歳~28歳」の先発陣がもう少し本来の力を発揮できれば、理想的な年齢構成と戦力の関係になりそうだ。

2018年シーズン大きく防御率を悪化させた広島投手陣だが、メンバー自体は2017年シーズンからほとんど変わっていない。丸の退団というあまりに大きい穴も、投手陣の活躍次第で投打総合的に戦力はトントンという考え方もできる。それだけの復活を2019年シーズンはみせてくれるか。