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2018年パ・ルーキーの活躍はどうだった?清宮は王氏に並ぶ7本塁打

2018 12/1 07:00青木スラッガー
パ新人野手表,ⒸSPAIA

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2018年ルーキーの活躍 清宮は7本塁打で順調なデビュー

今シーズンの新人王レースは2年目以降の選手がハイレベルな争いを繰り広げる形となった。そのなかで、ルーキーの活躍はどうだったか。改めて1年目選手の成績を振り返りたい。

まずはドラフト史上野手最多タイとなる、7球団競合指名で日本ハム入りした清宮幸太郎について触れておこう。ゴールデンルーキーの1年目は「順調なデビュー」だったといってよさそうだ。

5月の24打席目で待望のプロ1号が飛び出し、最終的に尊敬する王貞治氏の1年目と同じ7本塁打。二軍で過ごした時間も短くはなかったが、イースタンではリーグ2位の17本塁打、OPSは.930と打ちまくった。一軍でも夏以降は8月3本、9月3本と徐々に適応力をみせている。来シーズンは、王2年目の17本塁打超えに期待がかかる。

しかし球団側はというと、無条件に清宮に打席を与えるつもりはないようだ。台湾の4割打者・王柏融の獲得に動いており、入団となれば清宮とは指名打者や外野の枠を争うライバルとなる。出場機会を増やすには、課題の守備を磨くことも重要になってくるだろう。

野手はロッテ藤岡、オリックス福田の二遊間が存在感

野手で最も即戦力だったのはロッテ2位・藤岡裕大だ。高卒3年目の平沢大河らを押しのけて遊撃手レギュラーを掴み、全試合出場を達成。安定した守備・走塁に加えてリーグトップの26犠打を決めるなど、まだ成長段階の平沢らに比べ、プレーヤーとして完成度の高さが光った。

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社会人出身の二遊間のプレーヤーとして、オリックス3位・福田周平も即戦力の活躍をした。6月ごろから徐々にスタメン機会を増やし、後半戦は二塁手レギュラー格に定着。345打席で打率.264とまずまずの打撃成績を残し、16盗塁、三塁打4本と足でも存在感を示している。

レギュラー格の地位を得たのは二遊間の2人。そのほかの野手はシーズンを通して活躍とはいかなかった。内野ユーティリティのオリックス8位・山足達也は二塁手の開幕スタメンを勝ち取ったが、開幕4戦目、ベースカバーの際に接触プレーで怪我を負い1か月離脱。その間に福田のアピールを許す形となった。

チーム課題の大砲候補として入団したロッテ4位・菅野剛士は打率.176で即戦力とはならず。しかし5月のプロ1号はアウトコースいっぱいの球をライナーで逆方向にスタンドインさせ、非凡なパワーはみせている。

清宮以外の高卒野手では、「高校ビッグ3」の一角、ロッテ1位・安田尚憲が10月に待望のプロ初本塁打を放った。ソフトバンク・東浜巨という一線級の投手を打ち、良い形でシーズンを終えることができた。

高卒選手でサプライズな活躍となったのは、楽天6位・西巻賢二だ。下位指名ながら、高卒で清宮に次ぐ82打席に立ち、打率.247をマーク。二軍で5本塁打と、167センチの小さな体で意外な長打力を発揮している。

投手はソフトバンク大竹・高橋が日本一に貢献

投手はソフトバンクの大卒2人が日本一に貢献する働きをみせた。育成4位・大竹耕太郎は7月末に支配下登録を勝ち取り、そこから11登板、8先発で3勝。8月の初登板初先発が西武戦と、デビュー戦が重圧のかかる首位決戦となったが、8回2失点の好投でその期待に応えた。

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2位のアンダースロー右腕・高橋礼も大竹とともにCS、日本シリーズのマウンドを経験。日本シリーズでは3登板を無失点に抑える好投だった。日米野球でも好投し、大リーグにはいない低さのサブマリン投法がアメリカからも注目された。

育成出身選手が1年目からサクセスストーリーを描いた一方、即戦力が期待される大卒・社会人出身のドラ1はどうだったか。2球団競合のオリックスの田嶋大樹は12先発で6勝3敗。肘の張りなどで6月下旬までのプレーとなったものの、そこまでは新人王クラスの活躍をした。奪三振率9.04と先発としてはトップクラスの数字を残しており、やはりポテンシャルは高いといえそうだ。

楽天1位・近藤弘樹、西武1位・ 齊藤大将は1年目から結果を残すことはできず。また、昨シーズン最下位に沈んだロッテは、3位以下で社会人出身投手を3人(3位・山本大貴、5位・渡辺啓太、6位・永野将司)指名する即戦力志向のドラフトとなったが、多くの登板機会を得ることはできなかった。

社会人出身投手で結果を残したのは日本ハム2位・西村天裕だ。中盤に調子を崩したが、そこまでは5月までにリリーフで21登板し、序盤好調だった戦いに貢献。最速150キロ超の速球を武器に奪三振率9.78と打者をねじ伏せる投球をみせている。独立リーグ出身の19歳、西武3位・伊藤翔も優勝争いの佳境にリリーフで好投してリーグ優勝に貢献。10月には初先発で6回途中3失点の好投で先発として初の白星もマークした。

2019年シーズンのパ・リーグには甲子園で大活躍した日本ハム・吉田輝星 ロッテ・藤原恭大や、即戦力候補の大卒野手は楽天・辰己涼介、大卒投手は西武・松本航、ソフトバンク・甲斐野央といった選手がドラ1で入団してくる。

今シーズンは新人王を受賞した楽天・田中和基ら2年目選手に新人王レースで水をあけられたが、2年目はルーキーに力の差を見せつけることができるだろうか。

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