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3年で球速8キロアップ。ついに開花した阪神・石崎剛、目指すは2代目「石直球」

2017年球種別成績
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飛躍の年となった2017年 侍ジャパンにも選出!

年度別成績

 

2014年のドラフト2位で新日鐵住金鹿島から阪神タイガースに入団した石崎剛。MLBを代表する投手マックス・シャーザー(ナショナルズ)を彷彿とさせるサイド気味の変則フォームから投じられる150キロ超のストレートを武器に挑んだ1年目のシーズンだったが、8試合で11回 1/3を投げ、防御率7.15とプロの壁に跳ね返される結果となった。

2年目となった2016年も10試合の登板にとどまり、10回2/3、防御率1.69という成績を残したが肘の故障もあり、年間を通して活躍することはできずに終わってしまった。迎えた2017年、石崎は大きな飛躍を果たした。この年もシーズン後半になってから1軍に昇格。26試合に登板し、30回2/3を投げて防御率1.17という素晴らしい成績を残すと、侍ジャパン代表として「ENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ2017」に出場するまでに成長した。そんな石崎が突如として飛躍を果たした要因をデータから分析していく。

平均球速は151.1キロ

2015~2017球種別成績

 

石崎の最大の特徴は、力強いストレートだ。2017年は自己最速となる155キロをマークしている。ストレートの年度別平均球速を見ると、2015年は143.5キロ、2016年は146.3キロ、2017年においては151.1キロと年を追うごとに速くなっている。2016年から2017年にかけては4.8キロも速くなっていることが飛躍した最大の要因と言えるだろう。

奪空振り率を見ても、2015年8.2%、2016年5.6%だったものが、2017年は11.1%にまで上昇しており、平均球速が上がったことによる相乗効果が大きかったことが見て取れる。

2016年は肘を故障した影響からか、もう一つの武器であるスライダーの投球割合がわずか1.2%にまで減少したが、2017年は18.9%まで増加。威力を増したストレートとスライダーのコンビネーションで打者を手玉に取った。

入団時には、当時阪神で活躍したオ・スンファン(ブルージェイズ)の代名詞であった”石直球”を継承することを熱望していた。2018年は貴重なセットアッパーとしてシーズンを通じての活躍が期待されている。昨年と同様、それ以上の活躍を見せることで、本人の希望通り”石直球”が石崎剛の代名詞となる日も近いかもしれない。