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菅野はダルビッシュになれるか?開幕戦KOからの復活に期待

2018 4/2 15:40mono
菅野智之
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ⒸSPAIA

自身4連勝を目指した開幕戦

2017年は第4回ワールドベースボールクラシック日本代表にも選ばれた菅野。小久保裕紀監督からは日本のエースとして指名され、大会でも好投を見せてくれた。

準決勝アメリカ戦での熱投の影響で、4年連続の開幕投手とはならなかったものの、シーズンでも圧倒的な投球を披露。17勝(5敗)、防御率1.59とキャリアハイの成績を残し沢村賞を受賞している。高橋由伸監督からは、昨年の段階で開幕投手に指名されるほど、絶大な信頼を誇っていた。

今シーズンは菅野にとって4度目の開幕戦となり、過去3度は全て勝利投手だ。巨人では別所毅彦、斎藤雅樹と二人しか達成していない4勝目を目指していた。しかし、阪神との開幕戦で、序盤から福留孝介、大山悠輔に一発を浴びるなど7回5失点でノックアウトされてしまう。この試合では、自己ワーストとなる12安打を浴び、試合を作ることはできなかった。ここから立て直しを行い、次戦以降は好結果を残したいところだろう。

菅野のように絶対的なエースとして期待されながら、開幕戦で炎上。しかし、その後に復活を遂げキャリアハイとなる数字を残した選手がいる。2011年のダルビッシュ有(現・カブス)だ。

ダルビッシュは2011年開幕戦で7失点するもキャリアハイ

メジャーリーグでエース級の活躍を見せているダルビッシュは、日本ハム時代も5年連続防御率1点台をマークするなど、圧倒的な存在感を見せていた。ダルビッシュの日本最終年となった2011年、東日本大震災の影響もあり4月12日に開幕となったこの年、日本ハムは札幌ドームに西武を迎えていた。この試合でダルビッシュは7回7失点でノックアウトされてしまう。プロ入り以来、自己ワーストとなる1試合7失点の投球に、それまで4年連続で達成していた防御率1点台の更新が危ぶまれた。

しかし、この後のダルビッシュは8連勝を記録するなど、支配的な投球でシーズン通算18勝(6敗)、防御率1.44、276奪三振、6完封とキャリア最高の数字を残した。この実績をひっさげて、オフにポスティングシステムでメジャーリーグへと移籍することとなる。その後はトミー・ジョン手術を経験し全休のシーズンがあったものの、2017年までに56勝をマークするなどエース級の投手へと成長。このオフには6年1億2600万ドルという巨額契約を勝ち取った。

菅野は開幕戦の敗戦から立ち直り、ダルビッシュのようにキャリア最高の数字を残すことができるだろうか。ポスティングシステムを認めていない巨人に在籍しているということもあり、今シーズン終了後に菅野がメジャーに行くことはあり得ないだろう。しかし、昨シーズンオフには海外FA権を取ったらメジャーも、という主旨の発言をしており、将来的にはメジャー移籍も考えられる。

ダルビッシュ、田中将大(ヤンキース)、前田健太(ドジャース)らは、メジャーでも2桁勝利をマークし、ローテーションで活躍する投手達は、日本でも圧倒的な成績を複数年連続して残してきた。菅野も日本で同様の成績を残し続けることができるだろうか。今シーズンも菅野の投球に注目していきたい。