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期待の高卒ルーキー! 楽天・西巻賢二は1年目から結果を残せるか

2018 4/3 17:08Mimu
野球 守備
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Photo by Shutterstock.com

オープン戦でもっとも結果を残した高卒ルーキー

2018年注目の高卒ルーキーといえば、やはり日本ハムの清宮幸太郎。そしてロッテの安田尚憲、広島の中村奨成が挙げられるだろう。

清宮は高校通算111本の新記録を作った世代No.1スラッガーだ。安田は通算65本塁打。中村は通算45本塁打に加えて、甲子園で1大会6本塁打という大会新記録を作った。彼らはドラフト1位で入団し、キャンプやオープン戦での状況が連日報道されている。

しかし、最初に1軍に上がるのは別の選手ではないだろうか。高卒ルーキーの中では、楽天の西巻賢二がもっとも期待されているように思われる。オープン戦でも清宮の7試合、安田の8試合より多い11試合に出場して、13打数3安打と健闘。茂木栄五郎の昇格と入れ替えで3月21日に1軍登録を抹消されてしまったが、そのポテンシャルをしっかりとアピールできた。

仙台育英出身、期待の内野手

楽天からドラフト6位で指名された西巻は、地元の仙台育英高校出身。小学6年生の頃は楽天ジュニアに在籍しており、6年ぶりに楽天のユニフォームに袖を通した。本人にとってもチームにとっても、これほどうれしいことはないだろう。

仙台育英では1年生からベンチ入りし、2学年上の佐藤世那(オリックス)や平沢大河(ロッテ)と共に夏の甲子園で準優勝。代打や守備要員としての出番が中心ながら全試合に出場し、決勝の東海大相模戦では小笠原慎之介(中日)からヒットを放った。

3年生になるとキャプテンとして春夏連続でチームを甲子園に導き、夏はベスト8進出。秋には「WBSC U-18ベースボールワールドカップ」のメンバーにも選出され、主にセカンドで堅実な守備を見せた。

アピールポイントは鉄壁の守備

西巻の守備には定評があり、入団前から「(プロでも)すぐ通用する」と評されていた。メインのポジションはショートだが、セカンドとしても活躍。派手なプレーこそないが、広い視野でしっかりとプロの打球をさばいていた。167cmと小柄だが肩が強く、送球も安定している。

楽天のショートは茂木がレギュラー。2017年シーズンは打率3割こそ惜しくも逃したが、17本塁打を放った。楽天の生え抜きで初めて2桁本塁打を記録した選手となる(同年に島内宏明も達成)。それでいてショートの守備力も十分にある。

セカンドには守備の名手として知られる藤田一也がいる。好打者の銀次がファーストからセカンドに移ることもある。バックアップには西武ライオンズから復帰した渡辺直人がいて、売り出し中の三好匠も好調。二遊間のポジション争いは厳しくなるだろう。

バックアップ要員からチャンスをつかめるか

だが、いかんせん茂木も藤田もケガが多い。実際、西巻が1軍キャンプに呼ばれたのは、藤田のケガがあったからだ。茂木もシーズンオフに手術をした影響で、キャンプに参加していない。3月21日に西巻が1軍登録を抹消されたのも、茂木が復帰したからだった。

2017年は6月に茂木、7月に藤田が相次いで離脱。春から好調を維持していた楽天はソフトバンク、さらに西武にも抜かれてしまい、シーズン成績は3位に終わった。

茂木は2016年から2年、藤田は2015年から3年連続で離脱しており、1年間フル出場を計算するのは難しい。むろん彼らがケガなくシーズンを過ごせることがチームにとって1番だが、西巻にとってチャンスでもある。

2人をバックアップするための選手は、間違いなく必要だろう。また点差がついた試合では、早めにベンチに下げて休ませることも考えられる。バックアップ要員も他の選手と争う立場だが、アピールの機会は早い時期から巡ってくるかもしれない。あとは、西巻がどれだけチャンスをつかめるかだ。

打撃でもアピールできるか

西巻は167cmと小柄だが、高校通算12本塁打と、決して非力ではない。オープン戦で本塁打こそ出ていないものの、キャンプ中の練習試合やオープン戦では3塁打を放った。ほとんどの試合で途中からの出場だが、高卒ルーキーとしては出場機会に恵まれている。それだけ首脳陣からも期待されているのだろう。東北出身で中学・高校時代を仙台で過ごした、地元の新たなスター候補が1年目からどのような結果を残すのか楽しみだ。