今年も平沢、矢崎、上茶谷の3選手が移籍
出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化する目的で始まった「現役ドラフト」の第3回が9日に開催され、昨年に続き3人のドラフト1位選手が指名された。
ロッテの2015年ドラ1・平沢大河内野手は西武、広島の2016年ドラ1・矢崎拓也投手はヤクルト、DeNAの2018年ドラ1・上茶谷大河投手はソフトバンクへの移籍が決定。12日には平沢、上茶谷両選手が移籍先の球団でそれぞれ入団会見を行った。
平沢は「9年間千葉ロッテマリーンズでプレーをして納得する成績を残すことはできませんでしたが、この移籍を良い契機として、ライオンズではチームに貢献していきたい。ライオンズの印象はベテランと若手の良いバランスが取れ、良い雰囲気で野球をしていると感じていた。私の強みは出塁率が高いことなので、そこを変わらず生かしたい。来年はプロ10年目と節目を迎えるので、必ずキャリアハイを達成したい」と悲壮な決意を示した。
一方、ソフトバンクのユニフォームに袖を通した上茶谷は「先発として結果を出したいと思いずっとやってきたのでこの機会をチャンスと捉えて結果で恩返しをしたいですし、そのためにメキシコに行っていて、そこで新たに掴んだものもあります。それをしっかり出して新しい自分を新天地で発揮できるよう頑張ります。まずは開幕ローテーションに入ること、2桁勝利をすることを目指して頑張ります」と抱負を語った。
これまでの現役ドラフト組ではDeNAから中日に移籍した細川成也外野手が2年連続で20本塁打以上を放つなど新天地で打撃が開花。また、ソフトバンクから阪神へ移籍した大竹耕太郎投手も2年連続で二桁勝利を挙げ、今季は自身初の規定投球回も達成するなど目覚ましい活躍を見せる選手も出ている。
では、かつてドラフト1位でプロの世界に飛び込みながら、現役ドラフトでの移籍を余儀なくされた選手たちはどうだろうか。
オコエ瑠偉、佐々木千隼らが貴重な戦力に
第1回の現役ドラフトでは、楽天の2015年ドラフト1位・オコエ瑠偉外野手が巨人へと移籍した。誰もが認める高い身体能力を持ちながら、楽天ではその才能を開花させることができず、2022年は6試合の出場にとどまっていた。
しかし、巨人に移籍後は1年目に41試合で打率.235、2本塁打。2年目は自己最多の68試合に出場して打率.261、3本塁打と出場数を伸ばしており、かつての甲子園のスターが再び輝きを放ち始めている。
第2回の現役ドラフトではロッテの2016年ドラフト1位・佐々木千隼投手がDeNA、中日の2017年ドラフト1位・鈴木博志投手がオリックス、阪神の2017年ドラフト1位・馬場皐輔投手が巨人へと移籍した。
佐々木はロッテでは先発としては苦戦が続いたが、リリーフ転向後の2021年に54試合に登板し、8勝1敗1セーブ26ホールド、防御率1.26の好成績を叩き出した。しかし、翌22年は23登板で防御率6.39、昨季は2登板で防御率3.00と成績は右肩下がりに。そして昨オフにDeNAへの移籍が決まった。
だが、心機一転臨んだ今季は28登板で1勝1敗6ホールド、防御率1.95と安定感を取り戻し、球団36年ぶりの日本一にも貢献した。
また、中日ではルーキーイヤーの2018年に53登板したのがキャリアハイだった鈴木も、オリックスに移籍した今季は中継ぎとして32試合に登板し、1勝1敗9ホールド、防御率2.97と復活。巨人へ移籍した馬場はわずか1登板のみと不完全燃焼に終わったが、二軍では46登板で4勝1敗2セーブ、防御率2.62とまだまだ一軍で戦えるだけの力があることを示している。
今年移籍が決まった3選手も新天地でかつての輝きを取り戻すことができるだろうか。
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