投手は実績あるリリーバーが複数プロテクト外に
ヤクルトは5日、楽天から国内フリーエージェント(FA)権を行使していた茂木栄五郎内野手(30)の獲得について、基本合意に至ったと発表した。茂木は旧球団である楽天の年俸上位10位以内に入っているBランクと推測されるため、楽天はヤクルトに対し金銭のみの補償(旧年俸の60%)、もしくは人的補償+金銭補償(旧年俸の40%)を要求することができる。
今回は、楽天が人的補償を要求した場合のヤクルトのプロテクトリストを予想してみたい。ヤクルトは今秋のドラフトで指名した新人選手と外国人選手を除いた支配下選手の中から28人までプロテクトすることができる(育成選手は補償対象外)。ポジションごとに誰をプロテクトするのかSPAIA編集部が独自に予想した。
まずは投手。先発は今季20試合以上に登板した吉村貢司郎と高橋奎二、主力の小川泰弘に今季復活を遂げた奥川恭伸の4人はプロテクト確実。さらに、プロ初先発で完封勝利を挙げたルーキーの松本健吾と二軍で最多勝、最優秀防御率、最高勝率の投手3冠に輝いた阪口皓亮の若手右腕2人に、大ベテランの石川雅規を加えた計7人を確保した。
リリーフも7人。今季40試合以上に登板した大西広樹、木澤尚文、山本大貴、田口麗斗、小沢怜史の5人に加え、今季不調も昨季までセットアッパーを務めた清水昇、27登板で防御率0.57と躍進を遂げた丸山翔大をプロテクトした。
2021年のドラフト1位・山下輝に、ベテラン36歳の石山泰稚、昨季20ホールドの星知弥、2021年から2年連続50試合以上に登板した今野龍太らがプロテクト漏れとなった。
【投手】14人
清水昇、奥川恭伸、石川雅規、木澤尚文、吉村貢司郎、松本健吾、小川泰弘、田口麗斗、山本大貴、大西広樹、小澤怜史、高橋奎二、阪口皓亮、丸山翔大
野手は有望株多い捕手や将来の主軸候補を優先
捕手は正捕手の中村悠平に、今季60試合に出場した松本直樹、将来の正捕手候補・内山壮真、来季背番号2を受け継ぐ古賀優大の4人をプロテクト。楽天捕手陣は太田光と安田悠馬の20代コンビが正捕手争いをしているが、選手層はそこまで厚くないため、高卒ルーキーながら一軍でスタメンマスクをかぶった鈴木叶も含め5人を確保した。
今季5月下旬に支配下に昇格、7月のフレッシュオールスターでは2安打4打点の活躍でMVPに輝いた橋本星哉も残したかったが、既に捕手は5人確保済み。他のポジションの選手との兼ね合いもあり、泣く泣くリストから外す形となった。
【捕手】5人
中村悠平、松本直樹、内山壮真、古賀優大、鈴木叶
内野手は山田哲人、村上宗隆、長岡秀樹のレギュラー3人に加えて、4年目24歳の赤羽由紘と2022年ドラフト2位・西村瑠伊斗の若手有望株2人をプロテクト。代わりに茂木と同じ左打ちの選手たちの優先度を下げたため、代打の切り札・川端慎吾や、内外野守れるユーティリティープレーヤーの宮本丈、武岡龍世らがリストから漏れる形になった。
【内野手】5人
赤羽由紘、山田哲人、長岡秀樹、西村瑠伊斗、村上宗隆
最後に外野手。レギュラー格の塩見泰隆、丸山和郁、足のスペシャリスト並木秀尊を優先的にプロテクト。さらに、パワフルな打撃が魅力の2年目・澤井廉も確保した。一方、今季113試合に出場した西川遥輝は昨オフ楽天を戦力外となったこと、楽天外野陣に左打ちの俊足巧打タイプが揃っていることも考慮し、リスト外とした。
【外野手】4人
並木秀尊、丸山和郁、塩見泰隆、澤井廉
今回の予想でプロテクトから漏れた選手は以下の通り。
【投手】14人
石山泰稚、山下輝、原樹理、星知弥、山野太一、石原勇輝、高梨裕稔、柴田大地、金久保 優斗、長谷川宙輝、坂本拓己、宮川哲、竹山日向、今野龍太
【捕手】2人
中川拓真、橋本星哉
【内野手】9人
川端慎吾、宮本丈、北村拓己、太田賢吾、北村恵吾、小森航大郎、武岡龍世、増田珠、伊藤琉偉
【外野手】3人
西川遥輝、濱田太貴、岩田幸宏
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