ドラ6中島大輔が一時スタメン奪う活躍
今季もニューヒーローが数多く誕生したプロ野球。西武のドラフト1位左腕・武内夏暉がパ・リーグでは7年ぶりとなるルーキーでの新人王に輝くなど、新人選手たちの活躍も光った。
そこで今年のルーキーたちが一軍でどのような活躍を見せたのか、球団ごとに通信簿を作成した。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目について、5段階で評価している。
今回は3年連続のBクラスとなる4位に終わった楽天のルーキーたちを見ていく。
まず野手では、ドラフト6位の中島大輔が一軍戦力となった。7月2日に初昇格を果たすと、同日のオリックス戦で初打席初安打をマーク。その後もシュアな打撃を見せて一時はスタメンをつかんだが、8月下旬に右肩を痛めて戦線離脱。シーズン最終盤に復帰するのがやっとで、最終的に37試合の出場で打率.228、1本塁打、10打点の成績だった。
野手の各項目は、パワーがリーグの平均ISO(=長打率-打率:長打力を示す指標)、選球眼は同BB/K(四球と三振の割合から打者の選球眼を見る指標)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算定している。
中島は28安打のうち二塁打を8本記録するなどパンチ力を発揮。ISOは.106でリーグ平均並みの数字をマークし、パワー評価は「3」。またspdが5.0と走塁面でも持ち味を発揮し、走力評価は「5」となった。一方、四球はわずか2個だったため、BB/Kは0.1で選球眼評価は「1」となり、途中離脱の影響もあってwRCは9と稼げず、貢献度評価も「2」だった。このオフは1年間戦える体の強さを身につけ、来季レギュラー奪取を狙いたい。
高卒入団のドラフト4位・ワォーターズ璃海ジュミルと同8位の青野拓海は一軍出場なしだった。
古謝はシーズン途中から先発ローテ定着
投手ではドラフト1位の古謝樹と同5位の松田啄磨が一軍戦力となった。古謝はシーズン途中から先発ローテに定着。6月8日の中日戦でプロ初勝利を挙げるなど、15試合に登板して5勝(8敗)を挙げ、防御率4.32の成績を残した。
一方の松田は中継ぎとして開幕一軍入りすると、開幕2戦目で2回無失点の堂々デビューを飾った。その後も4月13日のロッテ戦で先発マウンドも経験するなど、7試合に登板、計15イニングを投げて防御率3.60をマークした。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
古謝はストレートの平均球速が144.8キロ、BB%は8.9%、K%は16.7%といずれもにリーグ平均並みで球威と制球力、奪三振の評価は「3」。一方で、15登板で10発を浴びた影響もあり、FIPは4.59とリーグ平均(3.37)に遠く及ばず、総合評価は「1」となった。来季は一発病を克服し、先発ローテーションを1年間守り通したい。
松田はストレートの平均球速が141.9キロ、K%は12.5%とリーグ平均を下回り、球威と奪三振の評価は「2」、BB%も14.1%とリーグ平均の7.3%に遠く及ばず、制球力の評価は「1」に終わった。FIPも5.55で総合評価も「1」となった。来季は制球力を磨き、一軍定着を狙いたい。
そのほか、ドラフト2位の坂井陽翔と同3位の日當直喜が高卒1年目ながら一軍マウンドを経験。同5位の7位の大内誠弥も二軍で10試合に登板しており、順調に実戦経験を積んだルーキーイヤーとなった。
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