1年目からフル回転誓う東山玲士「50試合以上登板が目標」
オリックスの新人選手入団発表会見が29日、大阪市内で行われ、岸田護新監督とともに育成を含む計12人の選手が出席した。
オリックスは今季50試合に登板して2勝1敗24ホールド、防御率0.79をマークした2023年ドラフト5位の古田島成龍(日本通運)や2021年ドラフト7位の小木田敦也(TDK)、2020年ドラフト6位の阿部翔太(日本生命)ら下位指名の社会人出身投手が多数活躍している。
そこで来季、期待されるのが5位のENEOS・東山玲士投手(24)だ。進学校としても名高い香川・丸亀高から同志社大を経てENEOSに進み、最速151キロのストレートとチェンジアップを武器に活躍。強いメンタルもプロ向きと高く評価されている。
背番号45の真新しいユニフォームに袖を通し、「オリックスは3連覇した強いチーム。選手層も厚いので任されたポジションで1球でも多く投げたい。50試合以上登板が目標です」と1年目からフル回転の活躍を誓った。
同志社大時代すでにホップ成分50センチ以上
東山の実力に太鼓判を押すのがENEOSの大久保秀昭監督(12月1日付で退任し、チームディレクター就任)。大学時代に測定したストレートのホップ成分がプロレベルの50センチ以上を記録し、即採用を決めたという。
「スリークオーターだと難しいけど、真上から投げるオーバースローだから回転軸の関係でホップするんです。ストレートを見た時に、これは間違いないと確信しました」と振り返る。
加えて「負けん気の強さや向かっていく姿勢を常に持っています。クレバーで安心できる選手なので、何をやらせてもやっていけるタイプ」と精神面や人間性の高さについても証言した。
課題は体力面。「技術的には完成していますが、体の数値は平均値を下回っているので、トレーニングを積めばまだ球速は上がるし、伸びしろがあります」とプロでの成長に期待する。
恩師の“金言”「プロは切り替えが大切」
大久保監督は母校・慶応義塾大学でも指揮を執り、東京六大学リーグで3度の優勝に導くなどアマチュア球界の名将としてあらゆる修羅場を経験。プロでも近鉄で5年間プレーした。その経験則から「1球の怖さ」を選手に教え込んでおり、東山自身も「2アウトでも気を緩めないとか、勝つ難しさについて教わりました」と話す。
プロ入りが決まり、プロとアマを両方知る大久保監督ならではのアドバイスを送ったという。
「アマは毎日試合がないので、ミスしたら取り返すのが1年後になる。だから1球の怖さを知ることが大切なんですが、プロは逆に切り替えが大切。打たれても引きずっていたらやっていけない」
背番号45は中継ぎとしてリーグ3連覇に貢献した阿部翔太が3年間背負った出世番号でもある。「大久保監督の下でやっていなかったらプロに入ってない。恩返ししたいです」と話す東山。恩師の“金言”を胸に刻み、ルーキーイヤーからフル回転の活躍が期待される。
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