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1位指名は投手偏重の日本ハム 今年も競合覚悟で「ナンバー1」に入札か【球団別ドラフト指名傾向】

2024 10/23 07:00SPAIA編集部
日本ハムの2023年ドラフト2位・進藤勇也,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

近10年の1位指名は投手が9割

今年は10月24日に開催されるプロ野球ドラフト会議。本番前日となり、各球団の編成担当は当日に向けて候補選手の最終確認、絞り込みに追われていることだろう。

本記事ではそのドラフトに向けてSPAIAに掲載している「ドラフト歴代指名選手一覧」を使用し、球団ごとにどのような指名傾向があるのか、過去のドラフトから探ってみたい。今回は日本ハム編。

【ドラフト歴代指名選手一覧ページはこちら】

はじめに、全体の指名傾向を見ていく。2004年以降、日本ハムは合計165人(育成含む)の選手を指名しており、そのうち投手が93人で全体の約56%となっている。高校生、大学生、社会人(独立リーグ含む)の割合は、それぞれ約44%、32%、24%と高校生が半分近くを占め、将来性を重視した指名傾向にあるようだ。

2004年以降のポジション、候補選手別指名人数,ⒸSPAIA 2004年以降の各分類別指名人数


次に、より具体的に近年の傾向を探るため、2014年以降の過去10年間において、上位指名(3位以上)を中心にどのような傾向があるのか見ていく。

まず1位指名について、日本ハムは近10年間で7度競合。その年の「ナンバー1」と評価した選手を指名する方針から、競合も辞さない姿勢が見てとれる。2020年からの3年間は単独指名となったが、昨年は巨人が指名を公言していた中央大・西舘勇陽へ入札。あくまで「ナンバー1」を指名する方針に変わりはないようだ。

2014年以降の1位指名選手,ⒸSPAIA 過去10年のドラフト1位(青色で塗られている選手は投手)


肝心の「くじ運」はというと、有原航平、清宮幸太郎の交渉権獲得に成功したが2勝5敗といまいち。再抽選を含めても4勝8敗と、思い通りにはなかなかいっていないようだ。また、この10年間で二刀流の矢澤宏太を含め9人が投手と、1位では投手を指名するのが既定路線となっている。

2位以上での外野手指名は20年間で1人のみ

ここからは上位指名(3位以上)について見ていく。1位は投手に偏っている日本ハムだが、2位まででみると、10年間で7度、投手と野手を1人ずつ指名。3位まで範囲を広げても、「投手2・野手1」が5度、「投手1・野手2」が4度と、投手が3人並んだ年(2015年)もあるが、基本的には3位まででバランスを取っている。

過去10年のドラフト3位までの指名選手,ⒸSPAIA 過去10年ドラフト3位までの指名選手(青色で塗られている選手は野手)


また、野手13人中7人が内野手と、基本的に内野手を上位で指名。一方で、外野手に関しては、3位以降での指名が中心となる。2020年に五十幡亮汰を2位で指名しているが、2004年以降の20年間で外野手を2位以上で指名したのは、この一例のみ。他のポジションからのコンバートも多く、優先度が低いのは理解できるが、かなり徹底した方針をとっている。

以上より日本ハムの指名傾向をまとめると、以下の通りとなる。

・高校生を中心に将来性重視
・1位は変わらずその年の「ナンバー1」を指名
・1位は投手が基本線
・1、2位は「投手1・野手1」
・外野手は3位以降

今年は「大学生豊作年」で、関西大の左腕・金丸夢斗と明治大の宗山塁遊撃手が超目玉と言われている。これまでの傾向を見ると、この2人の中で「ナンバー1」と評価した選手を指名する可能性が高い。最近は単独指名を意識しているが、昨年に続き競合覚悟での指名に踏み切るのか注目だ。

※選手のポジションは指名当時

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