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DeNAのドラフト補強ポイント 即戦力の先発投手と遊撃レギュラー候補の指名優先か

2024 10/14 07:00SPAIA編集部
DeNAの三浦大輔監督
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ⒸSPAIA

投手は先発、リリーフともに即戦力補強必須か

今季は2年連続となる3位に入り、球団初となる3年連続のクライマックスシリーズ(CS)に進出したDeNA。三浦大輔監督は就任2年目の2022年から3年連続のAクラス入りとなり、球団では1998―2000年の権藤博以来となった。

来季に向けて1998年以来のリーグ優勝への期待が高まる中、10月24日に開催されるドラフト会議は、戦力を強化する最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含めDeNAのドラフト補強ポイントを考えていく。

【過去のドラフト指名選手一覧はこちら】

先発投手,ⒸSPAIA


まずは投手陣。先発は昨オフに主力の今永昇太とバウアーが退団して不安視された中、防御率3.23はリーグ4位だった。エースの東克樹が今季も安定感抜群の投球を見せ、新助っ人のジャクソンとケイはローテに定着。ドラ5ルーキーの石田裕太郎と2022年ドラフト2位の吉野光樹がプロ初勝利をマークするなど、全員で2人の穴を埋めた。

年齢バランスも悪くないが、小園健太や松本隆之介ら若手有望株の台頭にはもう少し時間がかかりそうな状況。20試合以上に登板した日本人投手が東のみということも鑑みて、即戦力となる先発候補を獲得しておきたいところだろう。

リリーフ投手,ⒸSPAIA


一方のリリーフ陣は、クローザーの森原康平が58登板で29セーブの好成績を残すも、主力の山﨑康晃と伊勢大夢、上茶谷大河が不振、ウェンデルケンは途中離脱するなど苦しい台所事情を強いられた。

ただ、5年目左腕の坂本裕哉や徳山壮磨、中川虎大といった若手が台頭。中川颯、佐々木千隼、ウィックといった新戦力も存在感を示し、ブルペンを支えた。陣容としては悪くないが消耗が激しいポジションだけに、中位から下位で社会人、大学生の即戦力候補を獲得してさらに層を厚くしておきたいところだ。

充実の野手陣、唯一レギュラー不在の遊撃手

捕手,ⒸSPAIA


捕手では昨季台頭した山本祐大が今季も扇の要として攻守で躍動。9月に右尺骨の骨折で離脱するまで、正捕手としてチームをけん引した。高卒2年目の松尾汐恩は代打がメインながら、一軍で27試合に出場するなど順調に実戦経験を積んだ。陣容も整っており、補強の必要性は感じない。

内野手,ⒸSPAIA


内野手では、度重なるケガに悩まされてきたオースティンが序盤に離脱こそあったものの、一塁のレギュラーとして106試合に出場。打率.316で自身初タイトルとなる首位打者に輝くなど、リーグトップの522得点を叩き出した強力打線の中心で持ち前の打力をいかんなく発揮した。

二塁には牧秀悟、三塁は宮﨑敏郎がレギュラーとして君臨。唯一レギュラー不在の遊撃では森敬斗がチーム最多の51試合に先発出場していた。ベテランの京田陽太、24歳の林琢真、23歳の石上泰輝と頭数は揃っているだけに、補強の必要性はそこまで高くない。将来有望な高校生遊撃手を指名しておくのが妥当なところか。

外野手,ⒸSPAIA


外野手はドラ1新人の度会隆輝が開幕スタメン出場を果たすと、3年目の梶原昂希が91試合に出場して打率.292とブレイク。シーズン途中には筒香嘉智が電撃復帰を果たし、戦力に厚みが増した。年齢バランス的にも問題なく、補強の優先度は低いと言えるだろう。

即戦力先発投手と高校生ショートを最優先に

以上のことから、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。

1.即戦力の先発投手
2年連続で野手を1位指名したこともあり、今年はエースの東に次ぐ先発候補を最優先で獲得したい。その筆頭候補となるのが関西大の最速154キロ左腕・金丸夢斗だ。関西学生リーグで現在69イニング連続自責点0を継続中の逸材。1位での競合は必至だが、今ドラフトNo.1左腕を獲得し、先発陣を盤石なものとしたい。

また、ドラ1なら愛知工業大・中村優斗の獲得を狙うのもありだろう。3月の「侍ジャパン」トップチームの強化試合に”飛び級”で招集された本格派右腕は、先発でも常時150キロ超の速球を投げ込み、スライダー、フォークのキレも抜群。即戦力性では金丸と双璧の逸材だ。

2.高校生の遊撃手
レギュラーの定まらないショートには、上位で高校生を指名しておきたい。打力も兼ね備えた候補としては花咲徳栄高・石塚裕惺がピカイチ。高校生ゆえに即戦力とはいかないが、2年目から一軍で存在感を発揮してもおかしくない打力を有する。2位以降で指名するなら早稲田実高・宇野真仁朗、桐光学園高・森駿太らが候補となるだろう。

3.即戦力リリーフ
リーグ5位の防御率だったリリーフ陣にも即戦力を1枚加えておきたい。大学生なら最速152キロ誇る速球派左腕・宮原駿介(東海大静岡キャンパス)、最速151キロの速球とスプリットを武器に三振の山を築く安徳俊(富士大)らが候補。社会人ならホップするストレートとスプリット、スライダーが武器の河北将太(エイジェック)、常時150キロ超の速球で打者を圧倒する木下里都(KMGホールディングス)らが候補となるだろう。

※表の年齢は2024年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月13日時点)

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