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中日のドラフト補強ポイント 1位で狙うは今年の目玉左腕か、地元愛知の逸材か

2024 10/8 06:00SPAIA編集部
今季限りで退任する意向の立浪和義監督
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ⒸSPAIA

左腕エースと守護神が来季去就未定の投手陣

今季最終戦に敗れ、球団史上初となる3年連続最下位に終わった中日。就任3年間でいずれも最下位となった立浪和義監督は成績不振の責任を取り、今季限りで退任する意向を示している。

後任として球団は井上一樹2軍監督に就任を打診しており、来季は新体制で臨むことが確実な情勢だ。4年連続でBクラスに低迷するチーム再建に期待がかかる中、10月24日に開催されるドラフト会議は戦力強化において重要な場となる。

本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含め中日のドラフト補強ポイントを考察する。

【過去のドラフト指名選手一覧はこちら】

先発投手,ⒸSPAIA


まず投手陣はチーム防御率がリーグ4位の2.99で、2022年の3.28、2023年の3.08から2年連続で改善に成功した。ただ、先発防御率は3.32で同5位。髙橋宏斗が自身初の2ケタとなる12勝を挙げ、防御率1.38で最優秀防御率に輝くなど大躍進を遂げたが、その他の先発陣が奮わなかった。

左腕エースの小笠原慎之介は2年連続で2ケタ敗戦、開幕投手を務めた柳裕也も4勝5敗、防御率3.76と大きく成績を落とした。また、涌井秀章、大野雄大、松葉貴大らが主戦を張るなど高齢化も進んでいる上、小笠原が今オフにポスティングシステムを利用してのMLB移籍を目指すとの報道もあり、来季はさらなる戦力低下が懸念される。ドラフトでは即戦力となる先発投手を最優先で補強しておきたいところだろう。

リリーフ投手,ⒸSPAIA


一方で、リリーフ陣はリーグ4位ながら防御率2.48と昨季の好成績を維持している。60試合に登板した守護神のマルティネスと清水達也に、59登板の松山晋也が防御率1点台をマーク。さらに齋藤綱紀が56登板、藤嶋健人も3年連続50試合登板を達成するなど強固なプルペン陣を形成していた。

ただ、マルティネスは今季が3年契約の最終年で来季の契約は未定。今季活躍した選手たちの勤続疲労も気がかりなだけに、ブルペンの層を厚くする意味でも即戦力となるリリーフ候補を指名しておきたい。

内野は若手が台頭、野手は長距離砲に照準

捕手,ⒸSPAIA


捕手は30代の木下拓哉、宇佐見真吾、加藤匠馬の3人でスタメンを分け合った。来季はここに若手が食い込んでくると理想的だが、6年目の石橋康太は昨季の39試合から今季は11試合と出場機会を減らした。

早急に補強が必要なわけではないが、正捕手と言える存在もおらず、できれば有望株を指名しておきたいポジション。若手に刺激を与える意味でも大学生・社会人の候補から獲得を狙いたい。

内野手,ⒸSPAIA


内野手はセカンド・田中幹也、サード・福永裕基、ショート・村松開人と2022年ドラフト組が今季台頭し、レギュラーを掴みつつある。2019年のドラ1・石川昂弥が伸び悩んでいるが、来季以降ファーストに定着できれば、オール20代での内野陣が完成する。

その他にもルーキーの津田啓史、辻本倫太郎らも控えており、緊急性は低い。ただ、チームは今季リーグワーストの373得点と貧打に泣いただけに、ファースト、サード候補として打力ある選手の獲得を狙いたいところだ。

外野手,ⒸSPAIA


外野手では細川成也が今季もリーグ4位タイの23本塁打をマークし、主軸として打線をけん引した。昨季からやや成績を落としたものの、センターには岡林勇希が定着しており、空席はレフトのみ。そのレフトにも3年目のブライト健太、鵜飼航丞ら期待のレギュラー候補がいる。ドラフトでの優先度はそれほど高くなく、将来性重視の補強となるだろう。

即戦力の先発投手が最優先

以上により、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。

1.即戦力の先発投手
高齢化と小笠原のメジャー移籍に備えて、即戦力の先発投手をいの一番で獲得したい。うってつけの候補が関西大の最速154キロ左腕・金丸夢斗だ。関西学生リーグで4年春までに20勝3敗、防御率0.88、奪三振率11.78と圧巻の成績を残している即戦力の逸材。1位での競合必至だが、今ドラフトNo.1左腕を獲得し、一気に先発陣の整備を進めたい。

また、ドラ1なら地元の愛知工業大・中村優斗の獲得を狙うのもありだろう。先発でも常時150キロ超の速球を投げ込み、スライダー、フォークのキレも抜群。髙橋宏斗とともにダブルエースを形成できる逸材だ。

2.将来の4番候補
2位指名が全体14番目となる中日は、ここでも1位候補を拾える可能性がある。得点力不足解消へ打撃型の選手を狙いたい。長打力なら青学大・佐々木泰がピカイチ。調子の波は激しいが、右方向でもスタンドへ放り込める天性の長距離砲だ。

地元の愛知・豊川高のモイセエフ・ニキータも長打力が魅力の選手だ。ロシア人の両親を持ち、今春のセンバツでは新基準バットで大会第1号アーチを描いた。左の長距離砲がいないチーム事情にもマッチするだけにぜひとも指名しておきたい選手だろう。

3.即戦力リリーフ
守護神流出の可能性があるリリーフ陣には、即戦力を1枚加えておきたい。大学生では最速153キロを誇る速球とフォークが武器の日体大・寺西成騎、最速152キロ左腕の東海大静岡キャンパス・宮原駿介らが候補。社会人では最速156キロを誇る木下里都(KMGホールディングス)などが候補となるだろう。

※表の年齢は2024年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月7日時点)

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