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本塁打半減でも優勝した巨人の「縁の下の力持ち」は誰だ?送りバント成功数ランキング

2024 10/6 06:00SPAIA編集部
巨人・門脇誠,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

164本塁打から81本に半減もリーグ2位の125犠打

セ・リーグを制した巨人は77勝59敗7分けの勝率.566でレギュラーシーズン全日程を終了した。チーム成績を振り返ると、2023年はリーグ5位の3.39だったチーム防御率がリーグトップの2.49に改善。投手陣の奮闘がペナント奪回の大きな要因のひとつだったことは間違いない。

打線はチーム打率こそリーグ2位の.247で、.252だった昨年から大きな変動はないものの、本塁打数は164本から81本に半減。得点は523から462に減少している。

その中で見逃せないのが犠打数だ。昨年までの過去5年を振り返ると2019年は84犠打、2020年は59犠打、2021年は48犠打、2022年は73犠打、2023年は93犠打だったが、今季は125犠打(リーグ2位)に増加。さらに盗塁数も昨季の48から59に増えており、本塁打が減った分は小技や足を絡めた攻撃でカバーしたことが分かる。

そこで今季の巨人を象徴する送りバントの成功数を調べてみた。ランキングは下の通りとなっている。

2024年の巨人送りバントと盗塁数

門脇誠は送りバント18回成功

チーム最多18回の送りバント(バントを試みて打者がセーフになり走者が進塁したケースも含む、公式記録の犠打数は16)を成功させたのは門脇誠。企図数22回で成功率.818だった。

126試合に出場したルーキーイヤーに続き、2年目の今季も129試合に出場。ショートのレギュラーをつかみ、下位打線を打つことが多かったが、打率.243、チーム2位の9盗塁をマークするなど自らの役割をこなした。目立つ場面は多くなくてもチームへの貢献度は高い。

チーム2位の16犠打を決めたのは戸郷翔征。3年連続12勝を挙げた裏には9番打者としての仕事を果たしていたことも見逃せない。

自身初のフル出場を果たした吉川尚輝は「縁の下の力持ち」という表現では足りないほどの活躍を見せた。送りバントを15回成功させ、企図数19回で成功率は.789。さらにチームトップの打率.287、12盗塁と好成績を残した。

攻守で貢献した岸田行倫、小林誠司

「縁の下の力持ち」という意味では岸田行倫も見逃せない。送りバントは9回成功させ、成功率.750。捕手として投手陣をリードし、攻守でチームに貢献した。

オコエ瑠偉は送りバントの企図数10回で成功8回。現役ドラフトで楽天から移籍2年目の今季は、昨季を上回る68試合に出場して打率.261をマークした。

2年連続2桁勝利を挙げた山﨑伊織も8回成功。自らを助けた。増田大輝も企図数9回で成功8回。スタメンは少なかったものの40試合に出場して盗塁も4個記録し、献身的な働きを見せた。

35歳・小林誠司も企図数10回、成功7回を記録。ベテラン捕手としてミットとバットで貢献した。以下、菅野智之、井上温大、グリフィン、横川凱、赤星優志に交じって立岡宗一郎と佐々木俊輔もランキングに名を連ねている。

今季は接戦に強く粘り強さが目立った巨人。エースや4番だけでなく、献身的にチームに貢献した選手たちの渋い働きも忘れてはならない。

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